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【閲覧注意】美徳の針が折れる ページ21
ところで、彼はモンスターで
なくなったのでした。
彼も神様として、月桂冠は持っているのです。
そして第二、彼はWindyの兄さんでした。
風を自在に操れて、尚且つ人の形をする、あの。
対して彼の刺繍技術というのはとうの昔、
全てミシンで解決しているのです。
モンスターの成りの彼、誰がどう求めたでしょう。
その答えは出さないよう、
ここまでVanishは
針をせっせと回しておりました。
今日の夜、どっと疲れたVanishは、
Windyのいない自宅で晩食を食べていました。
その時だったか、はたまた少し前か。
玄関のノックが鳴ったので彼は扉を
開けて訪問者を歓迎しに行きました。
それは一人の人間でした。
彼女はとても人尊獣卑そのままの人で、
裁縫の才も並み以上にありました。
＿＿彼女は彼の裁縫を静観していたはず。
それだけでも十分に嬉しい訪問だと、
彼は人間に対して微笑みかけようとしました。
微笑む前に人間はこう言っていましたか。
｢＿＿いいか、お前と私では人格が違う。
私の指は繊細で器用だが、
お前の指と比べてどうだ。
これだからお前の裁縫は嫌いなんだ。
どうして私が一緒にされるんだ、ねぇ｣
どうやら誰かに噂でもされたのか、
その人間は妙にいきり立っていました。
これに腹をたてもしなかったのは彼で、
少し置いてこう言いました。
｢あなたの手にはかないません。
それに私の仕事は神様が与えてくれたもの、
今変えることなんてできもしない｣
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作者名：Patricia | 作成日時：2018年5月12日 20時
