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ネジ巻き師と閑古鳥が別れた日 ページ19
*
いつの日だったろうか、
私は全く笑えなかった。
Playerからの干渉データが消えている。
私を満たしていた水が、幸福が、存在が、
空気をもて余してどこか抜けてしまった。
それをしたのはどこのどいつだろう？
Player?絶対に違う。信じるもんか。
*どうせ何か侘しくなったんだろう！
*さっさと返して、お願いだから返して！
そう叫んでいると、木の上で
たまたま盗み聞きしていたRimusは言った。
*おや。君は捨てられたんだ。
まぁ、ちょっと。
そう、彼は本気じゃない。
何だか嫌気が差してわざと雪を落として
生き埋めにしてやった。
彼だって久々に生きている感覚を得たんだろう？
違う？違わない。
Playerのデータを取り返さなくちゃいけない。
きっとWindowsからkamuitaleが消えて、
さぞかしあなたは混乱してるだろうから。
もしかすればみんな意外な
人に託したのかも知れない。
始めにRegretを試した。
慣れないFIGHTでも、あなたは
いつしか教えてくれたはずだから。
*ね、もうやめた方がいいよ
こんなことして君の得に生りはしないよ
何度FIGHTを押しただろうか？
もう数えたこともない。
どうせお前がもっているんだ！
一蹴りしてゲームがすすまる。
彼はその間ずっとしろどもどろだった。
*さっさと渡せば良かったのに
結局彼は口を割らなかった。
彼は逃げたのだ。
あぁ、どうしてそうずるいのだろう。
おわり。
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作者名：Patricia | 作成日時：2018年5月12日 20時
