軽い濡れ衣 ページ16
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liarは前々から、濡れ衣というものは
どうして存在するのか不思議がっていた。
この前ショーを援助してくれた数少ない人が、
その友人とやらに濡れ衣を着せてあげていた。
「とっても綺麗だった。
特に藍と群青の色合いがまた。
馬鹿な彼が美しくなるならと思っていたけど、
まさか、僕が逆に馬鹿になったとか!」
それは軽い羽の上着だと聞いた。
僕にも似合うものだろうか、と、くっと
ブランデーを一気に流す。
その様子を見かねてバーカウンターを
挟んでワイングラスを並べていたTomoreは
「liarは1000bitかけても似合わないんちゃう?」
と何にも考えずに呟いた。
自分が感情の神様でなく、そしてもっと
楽観的に生きているとしたら。
このTomoreをどう考えたことだろう。
少なくともそれはLebwarlu辺りにしか
わからないことじゃあないだろう。
確かに彼も僕と同じ神様____だけど、
そんなことわざわざ考えるブランデーは
口を通りすぎてなお苦い。
***
あ。Rimusになら似合うものだろうか。
この羽のような濡れ衣が、彼女に
似合ってくれるかな。
「でもRimusは嫌がるんちゃうのー?」
またTomoreだ。
この人は僕の考えが読めるのか?
「濡れ衣は着せられると、似合いながら
空が見れなくなるやろ?」
「そういうものかな」
Liarはここで泣いてしまいたかった。
彼から盗んだ濡れ衣は、今僕が着ているのだ。
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作者名:Patricia | 作成日時:2018年5月12日 20時