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しばらくするとぞろぞろと霊能者御一行が集まってきた。しかしその中には、なぜか黒田さんの姿もあった。


「ね、ねえナル、黒田さんも呼んだの?」

「……いや、彼女は呼んでいないんだが」


不思議に思ってナルにそっと耳打ちしたけどナル自身彼女の存在は不可解なようだった。

しかし麻衣が「みんなが集まったら教えてくれる」的なことをぼやいてしまった為に、結局ナルの種明かしに彼女も加わることとなった。

それがわかってからナルはずっと困ったような表情をしていた。



実験室の前までやってくる。
相変わらず板をベタベタ貼りまくっておまけにアタシと麻衣とジョンのサイン入りの実験室の様を見て、昨日のことを知らない人達はそれぞれ驚いたような声を上げた。

アタシとて、あらためて見直すとこの状況は少し狂気めいているようにすら思えてくる。

三人で板に傷がないこと、板同士の間に貼り付けた紙が破れていないこと、サインが間違いなく自分の筆跡であることを確認すると、おもむろに取り出したバールを持ってナルが躊躇なくその板を剥がし始めた。

バリバリバリ!

と木が裂け破壊されていく音を立てて実験室の扉が姿を現す。
厳重にロックされた扉を開けみんなで中を覗いてみたら……。


「「「!?!?」」」


白いサークルの中に置かれた椅子はそこから姿を消していて、遥か後方────教室の反対側の壁にぶつかったように倒れていた。

全員が全員、息を飲んだ。

しかしその空気をまるで読まないで「本日中に僕は撤退します」などと言い残すナルを全員で引き止めて事情の説明をするように促した。

そりゃそうだよ、そんなみんな納得できるわけないじゃん!!

アタシ達なんて昨日あの円の中に椅子があったことはちゃんと見てるし記憶してるんだから!!

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作者名:椎名羽流 | 作成日時:2017年12月13日 0時

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