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雑談 ページ18

そのあと程なくして麻衣が戻ってきた頃、ぼーさんや綾子も戻ってきて、そこからみんなで除霊して見回ることになった。

霊能力を持たないアタシと麻衣はふたり、玄関に残される。

特にやることもなくて、アタシ達は玄関に腰を下ろして他愛もないことを話していた。


「そういえば、ガラスが割れた時まだ少し機材残ってたよね。あれは壊れなかったのかなあ」

「えっそんなこと気にしてたの?」


麻衣が呆れたように笑った。


「大丈夫だよ、窓と机の間くらいに立ってたけどあたしの服に刺さってたのは1センチ位のやつが1個だけだったし」

「えっそれはそれで危なくない?」


そんな、どうでもいいようなことを言い合っていると玄関の方で物音がした。

古い木造のドアを押し開く音────。


「あれ?黒田さん?」


一瞬ナルを期待したけど、そこに現れたのは黒田さんだった。
黒田さんは驚いた表情を見せて「あなたたちだけ?」と聞いてきた。それにアタシ達は小さく頷く。

ナルのことも聞かれたけど、あれきり戻ってこないと知って無責任なのね、と鼻で笑った。

……むっかー。黒田さんのこーゆーとこ嫌いだなあ。
何故そうまでして突っかかるのやら。


「それで?あの連中の祈祷は効果あったみたい?」

「さあ……分かんない。まだやってるぽいけど」

「実験室の騒ぎもやっぱりそこの幽霊のしわざなのかな」


アタシがそう何気なく聞くと、黒田さんはあっさり


「でしょうね」


と頷いた。

黒田さんはここにはたくさんの霊がいるという。怪我をした兵士、看護婦や女の子の霊、姿は見えないけど自 殺した人の波動も感じると言っていた。

確かにナルや真砂子が言ったことは説得力があるし、ぎゃくにそれでは説明がつかないことを証明しようとしている黒田さんの話もまあ納得できる。

けど、なんだかなあ……。


「本当に霊っているのかなあ」

「あたしは見たのよ」

「うん……そうだよね……」


やっぱり黒田さんの言っていることを否定しようとは思わない。
でもどこか腑に落ちなかった。

騒音→←劣等



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作者名:椎名羽流 | 作成日時:2017年12月13日 0時

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