【悪霊シリーズ】旧校舎怪談ノ話【ゴーストハント】 (ページ15)

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騒霊ページ15

事件は解決。仕事も終わり帰る準備をナルがし始めた頃だった。

「本当に霊はいるわよ！」

黒田さんがそれを許さなかった。
いや、プロがそういうんだから間違いないでしょーよ。
そりゃあ実際に黒田さんが見たか見てないかなんてアタシには分からないし、本当に見たというならナルの出した結果に納得いかないのも理解出来るけど。

「だったらそれは君についてきた浮遊霊の仕業だろう。何にせよ僕の仕事は終わった、だから帰る。それだけだ」

ナルは冷たくそう吐き捨ててしまった。
なんだかなあ……。
アタシもどこか心の中でもやもやした気持ちを抱えていた。たかが助手の分際でそんなこと言えないけど。

そのときだった。

突然部屋の壁や天井が震えて音を立て始めた。
はじめは小さく、カタカタと。
けれどそれはだんだん大きな音に変わりついに廊下側の窓ガラスも粉々に砕け散った。
黒田さんは、それをもろに被った。

騒ぎに気づいたぼーさんと綾子がベースにたどり着いて直後驚きの表情を見せる。

「ちょっとこれどういうことよ！ここだけなのよ！？」
「窓から外へ出るんだ、じきに崩れる！」

切羽詰まったようなナルの声で、アタシ達は慌てて全員外へ出た。しばらくして建物は物音を潜めた。

「今のはなんだ？これも地盤沈下のせいってのか？」
「絶対に誰かが壁を叩く音だったわよ。危うく騙されるところだったわ」

外へ出た途端ふたりはそんな言葉を吐き捨てて、黒田さんの手当のためにその場を離れてしまった。

むっかー。こーゆーときばっかり仲良くしちゃって！

麻衣も同じことを思っているみたいだった。
心配になってナルに声をかけようとすると、「黒田さんを見てやってくれ」とそれだけしかナルは言わなかった。

でも……と言いかけたが、その後に続いたナルの思いもよらない言葉にアタシは口をつぐんでしまった。

「今は放っておいてくれたほうがありがたい。
────自己嫌悪で吐き気がしそうだ」

あの自信家のナルが、そんなこと言うなんて────。