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#.××× ページ38






おしまい







スマホの画面を消して女はニコリと微笑んだ






「本当はもう少し続けようかなって思ったんです」
「でもどう書こうか悩んじゃって」

「あはは」





女の目線は静かにアレに向く










「やっぱりここにいたのか」






扉を開けたのは顔馴染みの男が女に問う








「もうここに来るのはやめなよ」

「なんで?」








「私はねここにいなきゃいけないの」
「私には役目がある」
「私が必要なの」






女の目は死んだ魚ような光の無い
人とは思えない表情を見せる

それは男に向けてではなく
自分に言い聞かせているようにも見えた。








「いい加減、現実から目を逸らすなよ」

「あはは 何言ってるの」




女の目は笑っていなかった





「その人はもう____」


「うるさい」





女は再度スマホの画面をあるものを表示する





「もうやめろよ」


「”治香”!!」





治香と呼ばれる女はスマホ画面に映るアレを
口角をあげながら発する







治香「この人は生き続けるの

私が読み続ければいずれは______」









ピッピッピ









治香「戻って来るでしょ……?」






治香が見つめる先には
酸素マスクを付け腕に点滴
夥しく包帯を巻いている1人の女






治香「___ッねぇ、(けい)…、帰ってくるよね?戻ってくるよね、、?」

蛍「………」







治香「”桜庭A”先輩……
私ね、貴女が目覚めるまで

貴女をモデルにして書いた
【太宰さんシリーズ】読み続けますね

何回何十回何百回何千回でも。

このくだり何回目かな。あはは、あはは。



あははははははははははは
アハハハッハハハ!!









蛍はこの光景を何回何十回何百回


日に日に幼なじみの治香の精神が壊れるのを
ただただ静かに見つめることしか出来ない。



止めてもやめない
とめられなくなってしまった。






そして、



今日も治香は笑みを浮かべ、


スマホを片手に


アプリを開き、


【太宰さんシリーズ】を


桜庭Aが目覚めるまで、


今もずっと読み続けるのであった







𝐹𝑖𝑛.


#.雑談兼解説→←#.144



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向日葵蜜柑 - こういうの好きっス 尊敬してます!! (6月17日 8時) (レス) @page39 id: b6e25e049a (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - 泣いた、凄い❣️ (2023年2月2日 19時) (レス) @page39 id: 1eed7975f0 (このIDを非表示/違反報告)
蝶々 - 最ッ高です!泣きました! (2022年2月8日 18時) (レス) @page40 id: 11b1ad38fd (このIDを非表示/違反報告)
らみ(プロフ) - 作者様ぁぁどんだけ私を喜ばせたら気が済むんですかァ!!ちょっと嬉しすぎて天国行きそうです (2022年2月6日 19時) (レス) @page40 id: 9f46023976 (このIDを非表示/違反報告)
ゾア(プロフ) - おぉっとぉ……? (2022年2月6日 16時) (レス) id: 1f5360b9e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:嘉代15 | 作成日時:2019年4月28日 17時

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