リナリアの意味【黒】 (ページ7)

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Ep.2-3 ページ7

Side.目黒

連絡先を聞かなかった事を後悔してから3年も経った。
その間に俺は、2つのグループを兼任することになったりと環境がものすごく変わった。

でもふとした気に思い出すのは、彼女のことで。
去り際に言われた「またね」て言葉を思い出しては深いため息をつく繰り返し。

その日、メンバーで飲みに行こうって話になり英国風パブに飲みにいくことになった。
珍しく新宿の現場だったので適当に店舗を検索して1番近いところに入る。

佐「お！端っこのソファ席空いてんじゃん！」

みんなでマネージャーに飲み物を伝え各々席に着く。
今日の仕事の話や、着けてるアクセサリーの話など飲み物が届くまで他愛もない話しをする。

『このナッツ、美味しいから食べてみてよ〜』

聞き慣れた声。声の主を見つけるため、店内を見渡した。
俺たちが座っている席から1番遠い席に彼女はいた。

「はっ…ヤバ。」

驚きと嬉しさで、自然と顔が綻ぶ。
変わらない雰囲気のAさんはなんの話か分からないけど楽しそうに向かいに座るお友達と話している。
元気そうで良かった。

阿「目黒？」

阿部ちゃんのその声で我に帰る。
何みてたのー？なんて笑って飲み物を渡してくれる阿部ちゃん。

メンバー同士で話している時も、彼女から視線が外せない。
するとAさんの耳元で体格に良い男性が何か言う。
楽しそうに盛り上がっている2人を見て俺の中に黒い感情が一気に押し寄せてくる。

誰そいつ。なんでそんなに距離近いの。

渡「めめ、お前さっきからどしたの？」

「いや、なんでもないっす。」

俺はそんな濁った感情に蓋をしようと
メンバーの話に集中することにした。