Ep.8-4 ページ36
Side.目黒
小さく俺の名前を呼んだ彼女をギュッと強く抱きしめる。
同じシャンプーの香りを嗅ぎながら、再びAちゃんにキスをする。
『そろそろ、終わり、に』
「駄目、昨日俺の事焦らして遊んだでしょ」
そういえば、目を逸らしまた顔を赤くする。
「そういう顔、俺以外に絶対に見せないで」
『見せないよ』
倒れていた身体を起こし恥ずかしそうに言う彼女と向き合う。
少しづつ力が抜けていくAちゃんゆっくり押し倒すと、人生で最高の時間に浸った。
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『見てください、もう夕方』
サイドテーブルに置かれている時計を指差し、不服そうに言うAちゃん。
「腹減らない?出前でも取る?」
うーんと少し考えて、ピザ食べたいと一言。
「寝起きでピザ笑」
いいじゃん!と笑い、服を着始めるAちゃん。
その細い腰には俺がつけた赤い印が散らばっていて優越感に浸ってしまう。
『シャワー貸して欲しい、です』
「ん。なんなら一緒に入る?」
『入りません、なんなら目黒くん先にどうぞ』
断固として首を縦に振らないAちゃんがおかしくて声を出して笑ってしまう。
イジけたような顔も可愛くて、頬をつまむ。
やめてよと言い、リビングへ消えていってしまう。
Tシャツを着て、改めて考える。
こんなに幸せで良いのか、メジャーデビューが決まって初恋が実った。
天井をながめ自然と上がる口角に嬉しくなる。
『ねえ!リビング汚すぎて泥棒入ったみたい!!』
ダダダと走ってベッドルームの扉を開けてAちゃんが言う。
その様子がおかしくて、大笑いしてしまった。
2人で昨日飲んだ酒を片付けて届いたピザを食べていた時、
エントランスからのインターホンが鳴った。
『お客さん?』
「待ってて」
カメラで、確認してそこにいた人物たちに驚く。
向「めめ何で返事してくれへんの〜?」
渡「開けろ〜」
ラ「お菓子たくさん買ってきたよ」
宮「みんな少し静かにして、ごめんとりあえず開けて」
インターホンのカメラで固まる俺を心配して駆け寄ってくるAちゃん。
口だけでどしたの?聞き、カメラを見て口を大きく開けて無言で驚く。
帰ってもらうよ小声で言う俺に、『悪いよ、私が帰る』という彼女。
それも嫌だ、けど会わせるのも嫌だ。
『とりあえず、来てもらおう。迷惑になっちゃうし』
予想外の展開に渋々、ロックを解除した。
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作者名:Emma | 作成日時:2023年2月3日 10時