リナリアの意味【黒】 (ページ13)

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Ep.4-1 ページ13

Side.目黒

昨日から、自分の行動力に驚いている。
電話かけて、飯いく約束して、来週一緒に出かける約束までこじつけた。

昨日の電話、少し酔っていて優しい雰囲気が更に柔らかくなっていて
ずっとこのままでいたいと思ってしまった。

仕事の休憩中、朝のトーク画面を見てはニヤついてしまう。
康二に何みてんの？と覗かれそうになりスマホを高く上げる。

阿「目黒そういえば、例の彼女に連絡したの？」

その言葉にラウール以外の全員が俺を見る。

ラ「え！？何それ！？」

向「もしかしてさっきのニヤつきは、例の彼女なん？？」

康二とラウールがズイズイと距離を詰めてくる。

「うるさっ。マジでいやだ笑」

奥でははっと笑う阿部ちゃん。
こうなった元凶なのに。

渡「で、したの？」

「…教えない」

全員のブーイングを聞きながら、休憩が終わるのを待った。

思ったよりも仕事が終わるのが遅くなってしまった。
時刻は18時を回っていて、急いで支度してもこの場所からじゃ19時に間に合わない。
スマホを見ると新着通知が1件。Aさんからだ。
すぐ画面を開きメッセージを確認する。

【お仕事お疲れ様！私、もうお店にいるよ】

目【ごめん、今終わって19時30分くらいになりそう】

【全然大丈夫！ゆっくりで！】

そのメッセージと、すでに飲み始めていると言わんばかりにお酒の写真が送られてくる。
可愛いな、と思いスマホを見ていると後ろから声がした。

ラ「え！今日この後会うの！？俺も会いたい、めめの好きな人！」

「無理、絶対いやだ。」

なんでよーー！！なんて声を無視して、急いで着替える。
その間にラウールから全員に今日会うことをバラされた。
マジであいつ・・・。

後ろから今度どうなったか聞かせてーなどの声がしたが、
挨拶を済ませ、タクシーに飛び乗った。