PARACAGE 7th【ars】 (ページ23)

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233.スカート対策。ページ23

「あのさ...俺、先に言えば良かったね」
「え？何が？」

玄関を出た所で雅紀くんが申し訳無さそうな顔をした。

「カブ子で出掛けようと思ってたんだけど...」

そう言って、私のスカートを見る。
それは地面スレスレまでの長さがある。

「でもせっかくそれ可愛いから、電車にしよっか！」
「あ...ううん、大丈夫！裾を持ち上げてまとめてしまえば乗れるよ！」
「ホント？脚丸出しになっちゃうよ？」
「パンツ丸出しな訳じゃ無いから平気！」
「アハッ！Aちゃんがパンツ丸出しだったら俺気になっちゃって運転できないよ！」

もう！って雅紀くんが可愛く私に軽く体当たり。
こっちが「もう！」だよ、可愛いよ、助けて。

「じゃあ、カブ子で行こっか。本当に大丈夫？」
「うん、大丈夫。こうやって乗ったコト、何度かあるし」
「え？もしかして、元カレとか...？」
「え！？違う違う！ってゆーか、違うってゆーか...」

...お察しの通り元カレなんだけど...迂闊だった、口が滑った...

「フフッ、焦ってる」
「......」
「俺の知らない頃の事までゴチャゴチャ言わないよぉ」
「...うん」
「ちょーっとだけヤキモチだけどね！」

彼は右頬をキュっと上げて、ヘルメットを私の頭にカポっと被せた。

バイクに跨った彼の後に、スカートを捲り上げて乗る。
良かった、寒さに負けてタイツ仕込んでおいて。さすがに生脚出すのは恥ずかしい。
纏めた裾がヒラヒラしないように、私と雅紀くんの体の間にしっかり挟み込んで押さえる。

「あれ？」
「ん？」
「生脚じゃなかった」
「えっ！？」

肩越しに振り返った雅紀くんがそう言うと、「残念」って私の太腿をスルっと撫でた。

ひぃぃぃぃ...！
えろいよ、えろいよ、何なの今の手の動き！！！
もうすでに息も絶え絶え、すでにクライマックス。

「Aちゃん、ちゃんと掴まってね？」
「あ...はい...」

ナニゴトも無かったように言う雅紀くんの腰にソォっと抱き着く。
コーデュロイの感触があったかい。

雅紀くんはそのブルゾンの胸ポケットから出したサングラスを掛ける。

それを見て、急に不安になった。

「ねぇ、雅紀くん」
「んー？」
「私と一緒に二人乗りとか...平気なの？」
「どーゆーコト？」
「ほら、何て言うか...写真撮られたり...とか」

雅紀くんは「あぁ...」って小さく呟き、何か考えてる。

「俺ちょっと行きたい所あるんだけど、良いかな？」
「え？」

彼は私の質問には答えず、バイクのエンジンをかけた。