PARACAGE 7th【ars】 (ページ18)

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228.見極め。ページ18

「ウザいだろうね」

低い声でピシャっと言いきられて、「ほらぁぁぁ...」と喚くと

「それがホンットに何も関係の無い、身に覚えも無い、どうしてそういう思考になった！？って思っちゃうような相手だとね」

彼は淡々と言った。

「...え？」
「でも、お前らは違うだろ。俺らから見ても雅紀は変わったし、お前にデレてんのも分かるし」
「えっ！？デレられてるの！？私」
「はぁ？完全に雅紀デレてんじゃん。好きな男の事なのに分かんないのかよ」

雅紀くんが私にデレる...。
嘘でしょ、ムズムズする。

「デレデレしてんじゃねぇよ」
「いやぁ、当事者って気付いてないものですねぇ」
「うるせぇよ」

ケラっと潤くんが笑った。

「Aにそんなコト訊かれたら、アイツはちゃんと考えるってゆーか...ちゃんとした答えを出してくれると思うけどね」
「...そうかな」
「もしかしたら、アイツはもう付き合ってる気満々かもしんないし」
「...それはどうだろう」
「何で？」
「...何となく」

何だか潤くんにはえっちしてないとか、ちょっと言えない。
ニノくんには言えるのに。

「あー、もしやまだシてないな？」
「ちょっ...！」

そうだ、この人も下ネタ王子だった...。
顔に騙されてすぐ忘れる。

「でも出会って五分で挿れちゃう系男子のアイツがまだ手を出してないなら、前も言ったけどやっぱお前は特別なんじゃないの？違うのかな、単に癒してくれるペット感覚？」
「ペット...うん、最悪それでも良いんだけど...」
「いやいや、甘んじるんじゃないよ、バカか」
「潤くんが言ったんでしょー！」
「悪かった悪かった、ペットは無いな」

そう言ってる潤くん自身が、私の頭を犬にするみたいに両手でワシワシした。
髪がモサっとなる。

「でもさ、もしAが雅紀に訊いたとして」

乱れた髪を整えながら、潤くんの話を聞く。

「アイツが本当にウザそうにしたら、それかなり最低な男だけど」
「......」
「だって、第三者から見たってお前らは付き合ってるように見えんだよ？なのに『そんなつもり無かったんだけど』とか言うような奴だったら？」
「......」
「そんな奴だったらAだって一気に冷めると思うけど。良い男なのか、クズなのか見極める絶好のチャンスなのかもよ？」

ちょっと意地悪な笑顔。

「潤くんは雅紀くんってクズだと思う？」
「俺、クズの友達はいらない」
「フフッ、そっか」

私はもう一度、彼が千切ったページを眺めた。