PARACAGE 6th【ars】 (ページ28)

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203.計算か否か。ページ28

「きっと、翔くんも安心すると思う」
「翔さんが？」

翔さん？
何で翔さんが？

「翔くんも心配してたもん。Aちゃんが相葉ちゃん好きになっちゃったコト」
「...えっ！？」
「もしかして翔くんが気付いてないとでも思ってた？」

驚きすぎて声が出なくてただ頷く。

「翔くんが気付かない訳無いよ。すっごい敏感な人なのに」
「うそっ！だって、鈍感だから翔さんが歩くと屍の山が出来るって！」
「しかばね？」

え？って顔で智くんがケラケラ笑う。

「ニノくんが言ってたの。翔さんは無自覚に女の子を誑かしちゃう罪な人だって」
「あー」
「まさか計算？翔さん、計算男子なの！？」
「あはは！翔くんはそーゆー計算できないできない！」
「じゃあ...？」
「昔から何故か自分への好意だけに鈍感なの。なのに誰にでも優しいからみんな勘違いしちゃうんだよねぇ」

あー...結局罪な人なのか...。
ってゆーか、翔さんにまで気付かれてたとかホント恥ずかしい...。

「...翔さんはまだ知らないんだよね、私が...えっと...」
「相葉ちゃんちにお泊り？」
「あー！」
「間違ってないでしょー」

耳を塞ぐ私を指差して、可笑しそうに笑う。

「まだ帰って来てないから、知らないと思うけど」
「...だよね」
「自分で話すの？」
「...どうしよう...私が勝手に話しても良いのかな...」
「勝手にって、相葉ちゃんに了承得ずにってコト？」
「うん...」

もちろん内緒にするのは違う。
翔さんには言わなきゃいけない事だし、隠す事でも無い。
ましてや翔さんは、私が雅紀くんを好きなコトを気付いてたんだから。

だけど、私が勝手に報告しても良いのか分からない。
ってゆーか...何と報告するべきなのかも分からない。
『雅紀くんの部屋に一泊しました』って？
『でも何もしてません！』って？

今後の事を訊かれたら...？答えられない。
だって私達、付き合おうって話はしてない...。

「だったら、相葉ちゃんから翔くんに話して貰ったら良いんじゃない？」
「...話してくれるかな」
「相葉ちゃんが話したくないって言うなら、話せないような関係にするつもり？って思うけど」

智くんが少しだけ、怖い顔をした。

「そんな事になったら、おれ、相葉ちゃんを許さないよ」

でもすぐに笑って

「おれがお仕置きしちゃる！」

なんて、手をカンチョーの形にしてる。

そんな智くんの肩をポンと押して、笑い合う。