PARACAGE 5th【ars】 (ページ12)

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152.大騒ぎ。ページ12

テラハウスにあるバーベキューセットはなかなか本格的で、網と鉄板が両方ついてる。
その鉄板で潤くんが焼きそばを作り始めた。
隣で智くんが様子を眺めてる。

翔さんは蚊取り線香に火を点けたり、取り皿を用意したり、色んな準備。

私はニノくんと一緒に、ダイニングで持って帰ってきたお肉を大皿に並べる。
その中には大きなウィンナーもあった。

「でっかいウィンナー！」
「ソーセージ」
「ウィンナーでしょ？」
「バーカ、ソーセージの中に『ウィンナー』って種類があんだよ」

だったらウィンナーでも正解じゃないか！って思ったけど、軽く酔っ払って来てるニノくんは面倒臭いから「へぇ」って返事しとく。
住人それぞれの扱い方が分かってきた。

「ただーいまー！」

肩がビクッと上がったのが自分でも分かって、ニノくんには「お前、それ疲れない？」って笑われる。
...疲れますよ、めちゃくちゃ疲れますよ...。

「遅くなってごめんね！」

ダイニングに顔を出してキャップを脱いだ雅紀くんは、汗で少し髪が濡れてる。

「お疲れ、雅紀。先にシャワー浴びて来れば？」
「えっ！？潤ちゃん、良いの？」
「どうせここに居たって手伝わねぇだろ？」
「手伝う気満々だったのにー」

フフーって笑ってる雅紀くんに「おかえりなさい」って言うと「ただーいまっ」ってニッコリ笑われて、ウグッ...って喉の奥から変な音した。
雅紀くんに聞こえてないよね！？

「汗くせー、早く風呂行け」
「うっそ、汗臭い？ごめんごめん！ニノちゃんも一緒に入る？」
「オレのヌードをタダで見れると思うなよ？」
「そんな生意気な事言う子は、ここで脱がせちゃうぞっ！」
「はっ！？やめろっ！やっ...！！」

雅紀くんがニノくんに襲いかかって、大騒ぎ。
その様子を見てる面々も反応が違ってる。
潤くんは我関せずで焼きそばに集中。
智くんは大笑い。
翔さんだけが走って来てニノくんを助けてあげた。

「雅紀っ！お前は何度カズを襲ったら気が済むんだよ！」

ニノくんは翔さんの背中に隠されて、乱れた服を整えてる。
髪ボサボサで何だか可哀想だから、思わずそれを直してあげた。捨て犬みたいな顔してる。

「襲ってないよー、遊んでただけ！シャワー行ってくるー」

騒ぎの中心に居た雅紀くんはにこやかに退場。

「カズ、もう素直に雅紀にヤられとけば？」

潤くんからのまさかの台詞に「フザっけんな！」ってニノくんが真っ赤になって叫んだ。