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テスト期間は部活動がないとはいえ、自主練する生徒は自由に使うことを許されている練習場。夕陽の沈み始めた校舎から姿を出した生徒が一人、目前に広がる練習場を見下ろしていた。
「…………いいな」
ただ一言。逆光で顔の見えない生徒は、くるりと背を向けて校門へと歩き始める。
一歩、また一歩と緩やかに歩みを進めるその脚を注視してみれば跛を引いている事は、誰もまだ、気が付かない。
***
スマホに指を滑らせる。停留所の時刻を確認すればまだあと十五分程は待たなければならない。
中間テストは明日から。憂鬱だ。
ワークノートを開いて見慣れた文字の羅列を追っていたその時、ポン、と肩を叩かれ振り返る。
「こっ……小太郎ちゃん？！｣
「久しぶりだなA。今から帰りか？｣
小太郎ちゃんーーもとい、佐々木小太郎。私の従兄弟であり、元陸上選手。
陸上選手を辞めたあとはーー派手に伯父さんと伯母さんと揉めた事しか私は聞いていないから、今何をしているのか分からない。
「明日からテストだから家に直帰したいんだけどね、今日はダメなんだよね｣
スカートの裾をギュッと握り、眉尻を下げるAを見て、察した佐々木は何か言いたげに開いた口を閉じて、手首に付けている腕時計へと視線を移す。
「なら俺も付き合うとするか」
「えっ？！ いやいや、今からお家に帰るんでしょ？｣
「そのつもりだったんだが……折角なら成長具合を確かめておこうと思ってな」
『遠慮するな』と眼鏡の奥の細い目が拒否を許してはくれない。停留所から離れる術もなく、目的のバスが到着し、背中を押されながらバスに乗るしかなかった。
*
「おいお前ら聞けよ！！ 監督がうちのJK無理やりバスに乗せてどっか行った！！」
「はァ？？ あの時間厳守で真面目な監督がそんなことする訳ないだろ、お前の見間違いじゃねーの？｣
『アホくさ』と、素振りを続ける部員に練習場へ飛び込んできた彼は『見間違いじゃねーって！』訴える声を辞めない。それどころか相手の生徒を見た事あるとまで言い出した。
「見たことあるって誰だよ。お前、名前覚えるほど女子と仲良くなんてしてねーだろ？｣
「あれだよ、あれ！！ 美馬とよく喋ってる女子！！」
『美馬』という単語に一気に静まり返る部員達。周囲を確認して本人が居ないかどうかを確認し、姿が無いことに安堵してほっとため息をついたその時、
「俺がどうかしたか？」
「み……美馬！！」
噂をすればなんとやら。
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ゆゆ - 美馬ナインwww🤣 (9月16日 23時) (
レス) id: d177d043dc (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - ゆゆさん» 美馬ちゃんには散々振り回されそうな予感しかしないのでちょっとした仕返しの回です😏✨ (6月15日 21時) (レス) id: 259fa0886e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 美馬ちゃんが振り回されてる感じがたまらん！！🤣💕 (6月6日 2時) (レス) id: 385c1e544a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - わあああ！！😭そんなふうに言ってもらえて私も嬉しいです！！😖💕更新も楽しみですが主様からの返信が1番楽しみです！！😆🫶🏻 (2023年4月30日 21時) (レス) id: c431f15d29 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - ゆゆさん» 気持ちに自覚するまでかなりの時間を有する男だと思っています笑🤣‼️ こちらこそいつもコメントありがとうございます、ゆゆさんのコメントに救われています🙏🙌 (2023年4月29日 21時) (レス) id: 259fa0886e (このIDを非表示/違反報告)
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