雪豹【美馬総一郎】

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「美馬ちゃんのクラス焼きそばかあ……ねね、男子は焼く係が多いって聞いたんだけど、私美馬ちゃんが焼きそば焼いてる姿みたいから時間分かったら教えて？｣

「……分かった」


何度も何度も、朝からずーっと彼にシフト割り当て決まったら教えてくださいと頭を下げていた私は、漸く頷いてくれた事に歓喜。

私の長所は粘り強さかもしれない。今ここで判明した。


「おまえが来た時は教えてもらうようにクラスメイトに伝えておく。焼きたての方が良いだろ？｣


＿＿なんだって？！


焼きたての焼きそばなんて美味しいに決まっているじゃないか。
突然優しさ全開美馬総一郎になったので、遂に彼が私に心を開いてくれたのか！ と舞い上がっていたのもつかの間。


「焦げて固くなった不味いものはおまえに破棄してもらうことにしよう」

「美馬ちゃぁぁぁぁん！！！！」


＿＿残飯係に任命すな！！


なにが悲しくて明らかに焦げて端に避けて捨てるかもな〜的なものを私が食べなければならない！！ しかも今の発言からすると、私が来たとわかった時にわざわざ焦げたものを作るつもりだこの人。人の嫌がらせに力入れ過ぎだろ。


「そんなこと言うなら、私だって美馬ちゃんがうちのクラスに来たらタピオカ1個しか入れてやらないから！」

「地味な嫌がらせだな。逆に難しいだろ」

「だってタピオカを糸こんにゃくに変えるのは難しいかなって思って｣

「見た目も大きさも違いすぎる上に異物混入だと文化祭実行委員に報告されてもいいならすることだな」



自分の時ばかり報告しに行くのズルいよ美馬ちゃん！！

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