【芸人】主人公になれない僕ら【短編集】

2人だけの花火大会．ﾄﾞｰﾅﾂ･ﾋﾟｰﾅﾂﾋﾟｰﾅﾂ ページ41

ピーナツside


今年の花火大会は大雨で中止。


新しい浴衣買ったって嬉しいそうに報告しとったAが可哀想やったから、次の休みに2人だけの花火大会をする約束をした。


もちろん、2人とも浴衣を着て。


・


『花火いっぱい買ってきたで！』


近所の誰もいない川辺で待っていると、浴衣姿のAがビニール袋を両手に持ってやってきた。


ピ「ええけど、買いすぎやろ笑」


『このくらい買わんと花火大会には相当せんよ』


袋から手持ち花火を取り出して、火をつける。


勢いのあるピンク色の光が辺りを染める。


『きれい〜』


自分の分の花火も取り出してAと同じように火をつけた。


ピ「手持ち花火なんて中学生以来やわ」


1つの花火が終わるとまた別の花火へ。


色とりどりの花火と、嬉しそうなAの姿を楽しむ。


『見てみて！ハート』


細長い花火が空中で線を描く。


ピ「振り回すと危ないやろー笑」


・

いつの間にかあんなにいっぱいあった花火は、線香花火だけになっていた。


ピ「じゃあ、線香花火やったら帰ろう」


『うん』


ねじられた紙の先に火をつける。


この火が落ちたら終わりなんか…


線香花火はパチパチと音を立てて燃える。


そして、次第に大きくなった花火は音もなく落ちた。


『終わっちゃった…。花火大会終了っ、帰ろ』


そう言って立ち上がったAの腕を掴む。


ピ「もうちょっとだけ、ここにおらん？」


するとAは微笑んで応えた。


『うん、私もまだ一緒に居りたい』


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リクエストありがとうございました！
ﾄﾞｰﾅﾂ･ﾋﾟｰﾅﾂさんお二人とも書いたのは初めてでしたが、楽しかったです^^
ご期待に添えられていたら嬉しいです！

弱気…。．ちからこぶ晃太郎→←イメチェン．ﾄﾞｰﾅﾂ･ﾋﾟｰﾅﾂﾄﾞｰﾅﾂ

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