4話 ページ4
そしてはじめさん企画のドッキリパーティーの時間になった。
だいちくんは隣から来るそうだ。
部屋を暗くして、彼が来るのを待つ。
そういえば未だにドッキリの内容が伝えられていない…なと思い、小声で隣のはじめさんに問う。
「はじめさん、ドッキリの内容ってなんなんですか？」
「あれ、俺たなっちに言ってなかったっけ！？ドッキリの内容はね〜…「うわ真っ暗やん！マジなんも見えないじゃん！！」」
はじめさんがドッキリの内容を言う前にだいちくんが来てしまった。
ここで喋り声が聞こえてしまうとマズいので2人共口を閉じる。
(まぁ、後々わかるからいいか。)
と彼が上がってくるのを待った。
そしてだいちくんが2階に上がってくる。
「なになにマジで怖い！！」
暗闇の中で、はじめさんの合図でみんなが誕生日でおなじみのハッピーバースデーの歌を歌う。
歌を終え、電気を点けてみんなが口々におめでとうと彼を祝う。
俺もおめでとう〜！！とクラッカーを鳴らし彼を祝福する。
彼の目が俺の方に向いて、俺は思わず顔が綻ぶ。
だが、彼が見ていたのは俺ではなく俺の後ろにある編集部屋の扉。
そこが開き、中から知らない人が出てくる。
え、誰？？
と思ったのもつかの間。
彼は突然驚きに吹き出し、周りはケラケラと笑っている。
状況が上手く飲み込めない中、企画者のはじめさんが声を上げる。
「はい！！というわけで、誕生日に元カノがいるドッキリでした〜〜！！！」
え…、元カノ…さん…？
「では元カノさんどうぞ〜！！」
そう言ってだいちくんの元カノさんは彼の顔面にパイ投げをお見舞いした。
パイ投げを喰らった彼は驚きつつも笑顔で「なんでいるの！！？？？ww」とどこか嬉しそうに見えたんだ…
嫌だった。
彼の目に昔の恋人が映ることも。
その恋人と楽しそうに笑い合っているのも。
全部が嫌だった。
自分の気持ちが下がっていくのがわかる。
顔から笑顔が消えていくのも。
でも、笑わなきゃ。
これは企画で、今はカメラも回ってる。
これはドッキリなんだから。
大丈夫大丈夫大丈夫。
自分に必死で言い聞かせてなんとか笑顔を保つ。
上手く笑えている自信は無いが、それでも攣りそうな程口角を上げる。
数時間前の浮かれていた自分を嘲笑うように
笑う
微笑う
嗤う。
正直、その後の記憶は曖昧だ。
時間が過ぎてパーティーはお開きになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
paki(プロフ) - まみさん» ありがとうございます！！これからも温かく見守っていてくださると嬉しいです！！ (2019年4月11日 22時) (
レス) id: 4778914439 (このIDを非表示/違反報告)
paki(プロフ) - 殺羅さん» 好きと言って頂けると本当に嬉しいですし、励みになります！！ありがとうございます！！ (2019年4月11日 22時) (レス) id: 4778914439 (このIDを非表示/違反報告)
paki(プロフ) - キキさん» キキさん！！ありがとうございます！！そう言って頂けると励みになります！！ (2019年4月11日 13時) (レス) id: 4778914439 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - 好きです！素晴らしすぎます…これからの活躍を期待してます！！ (2019年4月10日 21時) (レス) id: adb9b11646 (このIDを非表示/違反報告)
殺羅(プロフ) - ほんっっっとうに良きです…好きです… (2019年4月10日 15時) (レス) id: 020d72f87d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：paki | 作成日時：2019年4月10日 3時
