みんな大好き北さんの妹 2【稲荷崎】

国見 ページ25

私が散々からかわれてから、部員達はゾロゾロ体育館に移動し始める。


ここからだ…大変なのは。


各校がアップし始め、マネはドリンクを用意し始める。


私は稲荷崎と青城の分を作る。


ふらついた足取りで、水道に向かい、ひたすらドリンクを作った。


途中でちょっとやばい感じになったが、なんとか作って体育館へ持って行く。

　
　
この一連の行動だけで、すごい息切れ。とてつもない頭痛。もう勘弁してくれ。


稲荷崎は今試合中だから稲荷崎のカゴをとりあえず置いて、青城のカゴを持ってベンチへ向かう。
　

無理、結構やばい。



　
　
　
　
　
　
　
なにがやばいって、やばい。
　
　

　
語彙力が一気に無くなるくらいやばい。
　

　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
思わず壁に手をつき、眩暈が収まるのを待った。
　

　
　
　
　
　
と、その時。
　
　
　
　
　
　
　

　
　
「ねえ、あんたなにしてんの」
　
　
　
　
　
　
後ろから声が聞こえた。
　

　
　
　
　
『…センター…分けの…』


「国見」


『国見…』


国「体調悪いの」


『いや』


国「絶対悪いよねこれ俺が持ってくから」


国見がカゴを私から奪う。


『いい…！た、体調悪くないし、持ってけるから…』


私は国見が持っているカゴに手をかけた。


国見はむっとした顔をした。


国「へーじゃあ持ってけば？」


国見がパッと手をカゴから離す。


私は急に手に重みがきて、思わずよろけた。


国「…っ！？」


国見の焦った顔。





なんでこんなに焦ってるんだろう。
　
　
　


　
　
　
そんなことを考えた私は、
　
　
　
国「…っぶな…」



国見の声と、腕にきた痛みで我に返った。
　
　
　
どうやら私は倒れかけて、国見は咄嗟に私の腕を掴んでくれたらしい。



国「休んで」


『…それは、無理』


国「今の危ない」


『い…まのは、不注意……だから』


国「違う、熱ある」


『ない』


国「倒れても知らないよ」


『…倒れるかもしれない…けど、倒れるまで…試合、見たい』


国「…はぁ…もうご自由に。ただ青城のドリンクは俺が運ぶから。適当な場所置いといて」


『あ…ありがとう』


国見はカゴを持って行ってしまった。


ああホントに…イケメンってやつだよね全く…

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