みんな大好き北さんの妹【稲荷崎】

期待 ページ29

『信介ェェェ！！聞いて！音駒のみんなが夏休み合宿しよって言ってる！！！！』



帰って来てからAはすぐに、稲荷崎の体育館に入った。



信「A…！ホンマに帰って来てくれたんやな」


『いやいやなんで驚かんの？』


信「？驚いとるで？」


『いや私が帰って来たことじゃなくて合宿のことに驚いて欲しかったの！！』


侑「音駒って東京の強豪やんな！っしゃ！！」


『参加校は…音駒と烏野と青葉城西と白鳥沢とあと…梟谷とウチ！』


角「多…どこの高校でやんの？6校入るスペースあんの？」


『音駒！マジで広いから安心して！あ！で、もし参加できるなら電話で教えてくれって猫又監督が言ってました！』


黒「せやな…信介はどうや？」


侑「もちろん受けます！」


黒「お前に聞いてへんねん」


信「…ええ練習になるし…受けたいです」


黒「じゃあ電話してくるな」


侑「ひゃっほーーーーー！」


信「その前に明後日練習試合あるからな。忘れんなよ」


侑「はい！」


信「A、また頼むな」


『うん！』


Aはマネージャーになって以来、練習試合では大きな活躍を見せていた。
　

例えば、勝っているもののなかなか点差が開かない試合では。


『…ちょっと…なにこの試合。こんなの順を追ってやってけば勝ちゲーでしょうが！

まず具体的に一人一人の攻撃の癖を見抜く。

そっから、一つの穴を見つける。例えばこの試合でいう3番。気づいてる人もいるだろうけど、クロスが弱い。

そこを叩けば点なんてガポガポ取れるけど、その穴に気づいてない人もいる。侑とか。だから点が取れずにうまく離せない。

他にも色々。9番なんかはフェイクを使ってこないから前を締める必要もない。だから安心して後ろに下がってられる。

ま、んな感じでもうちょい楽に試合してみれば点なんて入ってくるでしょ』

具体的かつわかりやすいアドバイスを。

練習試合は何回Aに助けられたか分からないくらいだ。


今回の試合もみんなAに期待していた。

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