見てて。【牛島若利】

第四十二話 ページ43

　

　
______…………卒業式…
　
　
　


　
とうとう私達は卒業式を迎えた。

　
　
　
　

　
私には、卒業を泣いてくれる後輩なんていないけれど。
　
　
　

　
　
　
　
未練なんてないけれど。
　
　
　
　

　
　
　
　
なんだか少し悲しくなった。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　


　
牛島とも、もう会えなくなるのか。
　
　
　

　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
牛島は、忘れるんだろうか。私を。
　
　
　
　

　

　

　
私も、

　

　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
この胸が熱くなるような思い出を、
　

　

　
　
　
　
　
　
、忘れるんだろうか。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
嫌だなあなんて、思った。
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　

　
　
　
　
卒業式が終わって、牛島は後輩に囲まれた。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

バレー部員だろうか。
　
　
　
　

　
　
　
　


　

　
　
みんな泣きながら牛島の卒業を悲しんでいる。
　

　
　
　
　

　
　
　

　
　

　
　
　
そうだよ、牛島はバレー部の主将だから。
　
　

　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
けどね、私も。
　

　
　
　

『牛島』
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
「…A」
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
「…このお方は」
　
　


　
　
　
　
　

　
　
「しっ！こういう時は黙って離れるんだよ五色！」
　
　
　
　
　
　
　
　

　
…気を遣ってくれたのか、後輩たちはサッと牛島から離れた。
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
『見せたいものが、あるんだけど』

　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
敬語だって、必要ない。



　

　
　
　
　
　
　
　
　
もう、牛島が上、私が下なんて、思う必要ないんだから。
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
「ああ」

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