伊達工、鉄の猫被り現る

屋上 ページ4

「あっ二口？いるけど…おーい二口！女子が呼んでんぞー！」

「なんだよ二口ぃ〜入学早々告白かよぉ〜モテる男はちげーなぁ！」

なに言ってんだボケ。こんなクッソ二口に誰が告るんだよ。

「…え、なんで来たんだよ」

『急にごめんね〜二口君〜ちょっといいかな？』

「ヒューヒュー」
メガネを掛けている男子が二口を囃し立てる。
黙ってろクソメガネ。

屈辱だっつーの！！なんで私が二口のこと好きみたいになってんの！？私死んでもコイツだけは好きにならないっつーの！！！ホント馬鹿なの！？

『ついてきて』
「えちょッ」
私は二口の手を引いて、屋上にやってきた。
　

　
「…はぁなんだよ…」
なにがはぁ…だ！！ため息吐きたいのはこっちだわ！あんたの性格が曲がってなければこんなことにはならねーんだよ！！

『突然だけど、私が言いたいことはたった一つ』

「えっなに？中学はボスって呼ばれるほど怖かったのに高校になったら急に猫被り始めて戸惑ってると思うけど内緒にしてって？あーーわかったわかった笑」

私は思いっきり二口に壁ドンした。

『よぉくわかってる割になんで廊下で会った時ボスって呼ぼうとしたんだてめコラァァァ！危うく私の夢の高校ライフが終わるとこだったんだぞォォォ！！！』

「あー悪い悪い癖で」

『絶対反省してない！！いい？私は男子のせいで女子友達できなかったの！高校生になった今こそは平凡で普通、穏やかな高校生ライフを送りたいわけ！だから絶対言うなよ！？』

　
　
私が言い切ると、二口はニヤッと笑った。あーもう嫌な予感しかしない。いっつもコイツは悪巧みをするとこんな感じの顔をする。

　

「へぇ…面白いじゃん」

うっわ…ホント歪んでるわ…

「じゃあ黙ってる代わりに…
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
バレー部でリベロやれよ」

『いやなに言ってんの、この高校女バレないじゃん』

「いや男バレで。お前中学バレーやってたじゃん。無理矢理スパイカーやらされてたけど」

『そうだけど…嫌だわ。噂になりそう怖い』

「ビビってんのかーー？ボスともあろうお方が」

『二口てめェェェ舐めてんのか！そんな挑発に乗るわけないだろボケェェェ！』

「じゃバラすわ『やりますやります』

「いやおもしろ」

『クソ二口ィィ』

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