みんな大好き北さんの妹番外編 (ページ8)

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梟谷編 2 ページ8

木兎が汗を拭きながらこっちに来る。

私ははっと我に返った。

『急にごめ「それってなんのこと？」

『…スパイクフォーム』

木「ふーん。じゃあブロック飛んでくれる？」

『へ？』

木「ブロック飛んでくれたら考えてやってもいいぜ！」

木兎がニヤリと笑う。

赤「ちょっと木兎さん。女子に飛ばせるのは酷じゃないですか｣

木「いいのいいの！できるよな？A｣

これは…チャンス！といいたいところだけど、同時にピンチも来てる。

男子用の高さとか信介の練習でちょっとやったくらいだし。

しかも"教えてやる"じゃなくて"考えてやる"なんでしょ。

適当にやったら絶対教えてもらえないやつだよコレ。

まあでも5本指のエースでしょ？飛ぶだけ飛んで悔しがっとけば全力感は出るよね。

よし。

『やる。手抜きはなしで』

木「へいへいヘーイ！よく言ったぜ！じゃあやるぞー！あかーし頼んだ！｣

赤「A、後で後悔しても遅いからね｣

『もちろん』

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『ま、まだやんの！？』

木「どんどん行くぜー！！！」

もうギブ！やめたい！疲れた！

『あと何本！？』

木「そりゃーAが俺を止めるまで｣

『鬼か！』

どうすれば止められる、？

中学でやってたとはいえ技術が全然足りない。

それに加えてバネだって、敵うわけない。

私なんかじゃ。

木「Aさー最初絶対手抜いてたでしょ。テキトーに付き合っとけばいいかみたいな。俺の事舐めてた｣

『…』

図星だった。

私はスパイクフォームさえ教えてもらえれば、それでよかった。

木「けど、今は違う。俺の事本当に止めてやるって思ってるだろ！」

『…っ！』

木「それならよォ！

120パーのお前を見せてみろよ！」

木兎は無邪気に笑った。

そして、私はあることに気付かされた。

木「100パーじゃ物足りねーだろ？」

そう、100パーの全力じゃダメだ。

私なんか、で逃げるなんてのも以ての外。

120パーの私の力を出さないと。

この人は止められないのだ。