みんな大好き北さんの妹番外編 (ページ7)

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梟谷編 1 ページ7

______1週間後。

私はあるところに立ち尽くしていた。

少々の緊張を含みながら。

私は思い切り息を吸った。

『頼もォォォ！！！！』

「うるせェェェェェェ！！！！」

私が叫ぶと、体育館の扉は勢いよく開いた。

多分この人は木葉さんだな。

『木葉さんですか？』

葉「え、なんで俺の名前…」

『もちろんリサーチ済みです。ずっと梟谷行ってみたかったんですから！』

葉「ん…、お前…木兎のファン？」

『えっま、まあハイ(表向きは)』

葉「もしかして北か？｣

『はい！！』

葉「あー！今木兎スパイク練真っ最中。見る？」

『あざス！』

葉「てか可愛いね。木兎なんかやめて俺にしない？」

『ちょっと器用貧乏には魅力を感じないですね』

葉「誰が器用貧乏だコラ」

そんな会話を経て、体育館に入る。

すぐに赤葦と木兎が目に入った。

赤葦は淡々とトスを上げ続けている。それも相当正確なやつをを。

木兎は…たった今、助走を始めようとしていた。

…木兎が動き始めた瞬間。

私には、空気が少しばかり鋭くなったように感じた。

1歩1歩がゆっくりで、スローモーションみたい。

なにかがくる。そう思った。

木兎が飛び上がる。

私は衝撃を覚えた。

空中姿勢が全く崩れていない。

ストレートに打つのもいいが、クロスにも打てる。

スパイカーに多くの可能性を与えるような、そんなフォーム。

ただ、率直に、欲しいと思った。

この、フォームが。私にとって、凄く綺麗で。

ただのコピーじゃ表現できない、内面からのなにかがある。

『それ、教えて』

私は気づくとそんなことを口に出していた。