dayflower.26 ページ26
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望「──、…き、姉貴」
「…ん…？」
遠くから聞こえるような声に目を開けると、望の顔が至近距離にあってびっくりした。
望「おはよ。朝やで」
「…えっ、嘘！」
ガバッと起き上がると、少しの頭痛と熱い目頭。
ゴミ箱に溜まった山のようなティッシュを見て、昨日の事を思い出した。
部屋に籠って泣いて、そのまま寝ちゃったんだ…
望「腹減ってるやろ？晩飯食べんと寝てんから」
「うん、だいぶ…」
望「ちょっと多めに作っといたから、ちゃんと食べや。俺、朝練あるから行ってくるわ」
「うん、ありがと。行ってらっしゃい」
頼もしくなったなー、なんてしみじみしながら望の背中を見送り、着替えようと立ち上がった。
ベッド脇の全身鏡をふと見ると、あられもない自分の顔が映っていた。
「めっちゃ腫れてるやん…」
氷水で冷やしておかないと、とリビングに続く階段を降りた。
.
大「おはよー、汐里」
智「おはよう！」
「おはよ…」
結局目元の腫れは引かなくて、掘り下げられる覚悟で学校に来た。
智「あれ、汐里。寝不足？」
大「テスト前やからって、夜更かしすんなよー」
…あれ？
大「あ、もしかして数学の宿題やってたりする？見せてや！」
智「汐里あかんで。しげ、端から誰かの写そうとしてたからな」
掘り下げないどころか、軽く触れただけでいつも通りの会話が進んでいく。
智「なんなら、しげも夜更かししてまで勉強すればええのに」
大「俺は健康志向なんですー！」
智「そんなもん、投げ捨ててまえ(笑)」
戸惑いで立ち尽くしていると、神ちゃんに笑われた。
智「どうしたん(笑)座ったら？」
「…え、あ、うん」
と、しげが初めて見る苦笑いで私を見た。
大「…望からちょっと聞いただけ。言ったん、望には内緒にしてな。口止めされてるから」
「そう、なんや…」
あいつ…、ほんと成長したな。
「しげ」
大「ん？」
「数学、見せたげるよ」
大「え、嘘！」
こっちも珍しく、気遣ってくれたんだしね。
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mhygkj1101(プロフ) - はまちゃ。さん» コメントありがとうございます。この作品で泣いていただけることが、自分の中でのゴールなので嬉しいです！ (2018年5月14日 23時) (
レス) id: d0b6e37a2e (このIDを非表示/違反報告)
はまちゃ。(プロフ) - ステキなお話をありがとうございました。 (2018年5月14日 23時) (レス) id: ec8b28c16d (このIDを非表示/違反報告)
はまちゃ。(プロフ) - 涙が止まらず…、ボロ泣きの状態で読みました。作者さんの表現がとても美しく、心を奪われました。 (2018年5月14日 23時) (レス) id: ec8b28c16d (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - はいっ！心が綺麗な涙で満たされたくなったら来ます。 (2018年5月10日 0時) (レス) id: 42ea6c0922 (このIDを非表示/違反報告)
mhygkj1101(プロフ) - 一波さん» 何度も来てください！もっと切なくなって下さい！そんな風に言って貰えると嬉しいです…！ (2018年5月7日 8時) (レス) id: d0b6e37a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：DAJTRTN-#
| 作成日時：2017年8月17日 22時
