５４話 ページ5
あの日から私たちは何度もデートを重ねた。
平日には食事を、休日には水族館や美術館などへ行った。
彼は知識が豊富で、話が尽きることはなかった。
そのどれもが楽しく、充実していた。
だからか、安室さんを好きになるのにそう時間はかからなかった。
いや、もしかしたらもっと前から好きだったのかもしれない。
そして仮の恋人として過ごす時間が残り1週間となったころ、事件は起こった。
正確に言うと事件というほどでもないのだが、とても衝撃的なことであったことには違いない。
それは友達と遊んだ帰りのこと。
「はぁ、遅くなっちゃった。今日はポアロに行けなかったなぁ」
時刻は10時を回っており、帰路につく頃には人影も無くなっていた。
まぁ住宅街だから、人通りがあまりないのは仕方がないのだが
「なんか怖いな…」
静まり返った道を足早に歩く。
しかし無情なことに、まだ家に着くまで10分ほどある。
��誰かと電話でもしながら帰った方が気が紛れるかもしれない��
そう思い携帯をカバンから取り出したとき、聞き覚えのある声が聞こえた。
「あぁ。わかっている」
この特徴的な声は安室さんだ。
曲がり角の先からその声は聞こえてきた。
言葉から察するに誰かと話している様子。
邪魔をしてしまわないように、一先ず顔を出さずに様子を伺うことにした。
「風見。奴の居場所はまだ特定出来ないのか？」
「すみません。サイバー犯罪対策課に協力を要請し 使用されたパソコンの位置の特定に当たっていたのですが、どうも複数の海外のサーバーを経由しているらしく まだ特定には至っておりません」
彼らは一体何を話しているのだろう。
私の頭は今の会話だけでも混乱していた。
��安室さんが敬語じゃない��
��雰囲気がいつもと違う��
色々混乱の原因になりそうなものはあったが、
中でも特に私の混乱を招いたのは相手の男性の言葉だった。
��サイバー犯罪対策課��
これは警視庁内にある組織だったはずだ。
そこへ要請できる立場ということは、あの男性は警察関係者だろう。
そうなると、安室さんは？
あの男性に敬語を使われ、それも内容からして指示する立場だろう。
ただの探偵が、そんなことできるのだろうか。
いや、もしかしたら私が知らないだけで 探偵は警察と密接な関係なのかもしれない。
そう納得しようとしていた。
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√ -るうと-(プロフ) - lm00n16arielkidさん» コメントありがとうございます。遅くなりましたが更新させていただきました！これからも更新はゆっくりになりますが、読んでくださると嬉しいです。 (2021年4月4日 21時) (
レス) id: 2e4934df7e (このIDを非表示/違反報告)
lm00n16arielkid(プロフ) - とても面白いです！続き楽しみにしています！ (2021年3月22日 13時) (レス) id: 163a21de7b (このIDを非表示/違反報告)
√ -るうと-(プロフ) - まなさん» コメントありがとうございます。ゆっくりにはなりますが、更新頑張らせていただきます！ (2020年12月27日 11時) (レス) id: 2e4934df7e (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新楽しみにしています(*´ω｀*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：√ -るうと- | 作成日時：2020年12月20日 10時
