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「じゃあ僕たちは帰るよ」


30分もすると3人とも満足したのか帰る支度をし始めた。


「Aはもちろん安室さんと一緒に帰るんでしょ?」

「うん。来てくれてありがとねみんな」


園子は当たり前のようにそう言ってくれた。


「安室さん閉店後にありがとうございました」

「いえ、無理を言ったのは僕の方ですから」



みんなには世間体のことを考えて私達のことは周りには言わないようにお願いした。

園子は特に我慢出来なさそうと思ったが、案外すぐに了承してくれた。

親友だからとサラッと言われたときはつい泣きそうになったが。


「じゃあ、また学校で。お幸せにね!」

「うん、ありがとう。ばいばい!」


3人に別れを告げると私達は一旦ポアロの中に戻った。



「いい友人を持ったな」

「そうですね、本当に私には勿体無いくらいですよ」


二人きりになった途端、零さんは素に戻った。

いつもこの瞬間はドキッとしてしまうのだから早く慣れたいものだ。


「僕たちも帰るか」

「そうですね」


そして店の戸締りをし、零さんの愛車が停めてある駐車場へと歩いた。


零さんの車に乗るのもこれで何回目だろうか。

なんて考えているとき、ふと手に温もり感じた。


見てみると零さんと私の手が絡まって、恋人繋ぎになっていた。


「へっ、あの…」

「どうした?さっきは自分から手を繋いだのに」


悪戯っ子な顔をした零さんに胸がときめく。

彼のいろんな表情を見るたびに好きが増していくのだから困ってしまう。


「さっきはみんなに見えない所でしたし、零さんが照れてたからつい…」

「そりゃ、あんなこと言われたら仕方がないだろう」


すぐに駐車場に着いたためあっさりと繋がれた手は離れた。

しかし車へ乗り込むとシートベルトをつける前に再び手を握られる。


「ちなみに好きになった所はあんなもんじゃないからな」

「へっ!?」


顔を覗き込まれると、意地悪そうな顔が見えた。


「そうだな、今みたいにすぐに照れて顔を真っ赤にしてしまう所も可愛くて好きだ」

「ま、待ってください!」


そこから反撃とでもいうかのように次々に言っていくものだからもはや言葉すら出てこない。


「ははっ、悪かった。つい可愛くて意地悪をしてしまった」


頬を撫でられ、私に向けられる愛おしそうな表情に心臓がバクバクと音を立てる。


まだ車の中で誰かに見られるかもしれないのに





そう思うのに



私と彼の影が車の中で重なった__

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√ -るうと-(プロフ) - lm00n16arielkidさん» コメントありがとうございます。遅くなりましたが更新させていただきました!これからも更新はゆっくりになりますが、読んでくださると嬉しいです。 (2021年4月4日 21時) (レス) id: 2e4934df7e (このIDを非表示/違反報告)
lm00n16arielkid(プロフ) - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2021年3月22日 13時) (レス) id: 163a21de7b (このIDを非表示/違反報告)
√ -るうと-(プロフ) - まなさん» コメントありがとうございます。ゆっくりにはなりますが、更新頑張らせていただきます! (2020年12月27日 11時) (レス) id: 2e4934df7e (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新楽しみにしています(*´ω`*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:√ -るうと- | 作成日時:2020年12月20日 10時

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