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68話 ページ19

「わぁ、綺麗…!」


安室さんが連れてきてくれたのはとても夜景が綺麗に見える公園だった。

私は手すりを掴むと、少し前のめりになる。

東京とは思えないくらいキラキラしていて、私はしばらくその光景に目を奪われていた。


「…思い出の場所なんだ」


私の隣で手すりに体を預けた彼が真っ直ぐ夜景を見ながらゆっくりと話しはじめた。


「行き詰まったときには、ここによく幼馴染と一緒に来ていた」

「僕はこの光っているビルの中で頑張っている人を、家族と幸せに暮らしている人の未来を守る仕事をしているんだと」

「この景色を見て、自分を奮い立たせていた」


目の前にある無数の人工的な光。

私の目にはただの綺麗な夜景にしか見えないが、彼にはその中にいる人まで見えていた。



「だが…っ」


彼の手すりを握る手に少し力が入ったような気がした。



「その幼馴染も、殉職した…」



「僕は、それで分からなくなった…大切な人が亡くなってまで守ろうとするものが」

「僕は警察官だ。この国を守るのが仕事だ。そう言い聞かせて今まで死に物狂いでやってきた」


少しだけ、彼の声が震えている気がした。

チラッとその横顔を盗み見るが、暗くてあまりよく見えない。

彼はいま、どんな気持ちで、どんな表情で私に話してくれているのか。


「貴女が人質になったとき、僕は考えるよりも先に体が動いたんだ」

「本当は立場上、慎重に動かなければならないのに…」



私の手を上から彼の手が包み込んだ。



「それでやっと気づいた。僕の幼馴染は 大切な人が暮らすこの国を守りたくて、きっと考えるよりも先に体が動いただけだったんだ」

「この前の僕と、なんら変わりのない理由で」

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√ -るうと-(プロフ) - lm00n16arielkidさん» コメントありがとうございます。遅くなりましたが更新させていただきました!これからも更新はゆっくりになりますが、読んでくださると嬉しいです。 (2021年4月4日 21時) (レス) id: 2e4934df7e (このIDを非表示/違反報告)
lm00n16arielkid(プロフ) - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2021年3月22日 13時) (レス) id: 163a21de7b (このIDを非表示/違反報告)
√ -るうと-(プロフ) - まなさん» コメントありがとうございます。ゆっくりにはなりますが、更新頑張らせていただきます! (2020年12月27日 11時) (レス) id: 2e4934df7e (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新楽しみにしています(*´ω`*) (2020年12月24日 12時) (レス) id: b4debc2124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:√ -るうと- | 作成日時:2020年12月20日 10時

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