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5話 ページ6

「いいね、好きな人がいるって」


世良ちゃんに関しては分からないが、他二人には彼氏がいる。
東の高校生探偵と蹴撃の貴公子の異名を持つ空手の達人というなんとも凄い彼達だ。

ホームズを私に教えてくれたのも蘭の旦那からである。



「あんた可愛いんだから、恋の一つや二つしないと」


複数あったら色々と問題が…と心の中でツッコミをいれながらも私は首を横に振った。


「今は一人のままでいいや」


そう思う理由にはPTSDが関わっていた。
それを知らない三人は勿体無いなどと呟いていた。


だがしかし、こんなことを言っているが私も高校生だ。
彼氏はいらないにしても、誰かを好きになってみたいなとは少しだけ思う。



色のある日々を取り戻したい

そんな気持ちも奥底にはきっとあるのだ。
前に進みたいという思いが。



「恋、したいな…」



思わず口から出た言葉。
その声はとても小さく、誰の耳にも届いていないはずだった。

しかし世良ちゃんには少し届いていたらしい。
"なんか言ったか?" と聞いてきたが私は知らないフリをした。



「ほら、HR始まるよ!」



運良く教室に入ってきた先生に素早く反応すると
彼女達の肩をポンっと叩き、誤魔化すように三人にそう言った。

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作者名:√ -るうと- | 作成日時:2019年3月31日 21時

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