【名探偵コナン】わたしの光【安室透】 (ページ27)

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２６話ページ27

その日から安室さんは事あるごとに私と行動を共にした。
スーパーはもちろんだが、高校の近くでも出会ったりした。

「今日、園子が数学の時間で__」

いつの間にか今日の出来事を報告する習慣も出来た。

安室さんは嫌な顔せず、楽しそうに聞いてくれる。
それが心地よく、ついつい色んなことを話していた。

「今日はポアロに寄りますか？」

「あー…今お金がピンチで」

最近はポアロにもすっかり常連化。
SNSの声が怖いくらい安室さんには良くしてもらっている。

今も二人で並んで高校からの道を歩いていた。
少し前の私が見たら驚くくらいの親密度である。

「でしたら今日は僕が奢りますよ」

こんな待遇までされる始末だ。

「いや、流石に悪いですよ！」

「Aさんがポアロに来てくださらない方が僕は嫌ですので、遠慮しないでください」

何だかんだ丸め込まれるのもまた最近の風景だ。

カランコロン

綺麗な音色を奏でながら開く扉。
初めて聞いたあの日が今では懐かしい。

「いらっしゃいませ！」

梓さんが笑顔で迎え入れる。
最初こそ二人で入ってきたときは驚いていたが、今ではすっかり慣れた様子。

これから仕事が入っている安室さんは裏へ行き、私はそれを見送るといつものカウンター席に座った。

「いつものでいい？」

＂はい＂と答えると梓さんは笑顔で＂かしこまりました＂と返す。
この流れがここ最近の日常である。

憧れていた＂いつもの＂という単語。
それを聞くだけで毎回少しだけ嬉しかった。

「お待たせしました、ハムサンドとホットココアです」

「ありがとうございます」

安室さんは微笑んで＂ごゆっくり＂と言い他のテーブルへと向かった。