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25話 ページ26

「…え?」

「こんにちは」


目の前には笑顔の安室さん。

デジャブをとてつもなく感じる。
この状況は今回で何回目だろうか。


「今日も笑顔が眩しいですね」

「そうですかね?」


目を細めながらそう呟くと変わらない笑顔でそう返して来た。


ここは安室さんと2度も会ったスーパー。
今日も偶然出会ったのかと思えば、安室さんの状態からして私を待っていたようだ。


「どうしたんですか。何か用事でも?」

「いえ、特には」

表情が変わらないため思考が読み取れない。
何を考えているのだろうこの人は。


「今日の夕飯はなんですか?」

「和食にしようかと」

2度もあんなことをしてしまったため逃げようとするもののずっと付いてくる。
普段なら少しイライラするのだが、何故だか今回は大丈夫だった。

安室さんの笑顔が変に胡散臭くなかったからだろうか。


「じゃあまた」

「はい。気をつけてくださいね」

買い物を終えて別れを告げると私たちは逆方向へと歩き始めた。



「何がしたかったんだろう」

今日はただ単に二人で買い物をするだけだった。
私に何も言わず、聞こうともせず。

何事もなかったかのように接してくる安室さん。


「なんか調子狂うなぁ…」

髪をかきあげながら苦虫を潰したような顔をした。

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作者名:√ -るうと- | 作成日時:2019年3月31日 21時

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