【名探偵コナン】わたしの光【安室透】 (ページ21)

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２０話ページ21

Aが帰ったことによって俺たちは解散した。
そして俺はいま、安室さんと一緒にいる。

話していた内容はもちろん

「なるほど、家族仲は良さそうか...」

さっきのことだ。

日曜日の夕方ということもあって、ポアロにはそれなりに客がいた。

そのため安室さんは仕事をこなしながら考えていた。
器用な男である。

「そこには母親もいたんだ？」

「ううん、いなかったよ」

俺の言葉に安室さんは驚いたような表情をした。

「じゃあ、なんで母親とも仲が良いって分かったんだい？」

＂父親じゃなくてわざわざ家族と言ったってことはそういうことだろう＂
とさらに言われ、流石だなとつい笑ってしまう。

「A姉ちゃんが言ってたんだ。＂お母さんに苺買っていこうよ、私も食べたいし＂って」

そう父親に言う彼女は楽しそうだった。

兄に関してはたまに勉強を教えてもらっていると聞いたことがあるから良好だろう。

これらの情報も言うと、少し考えたのち＂ありがとう＂と言われた。

そして聞きたいことは全部聞き終わったのか、安室さんはまた仕事を始めた。

「コナンくん」

しばらくアイスコーヒーを飲みながらボーッとしていると、一通り仕事を終えた安室さんが話しかけてきた。
その顔は真面目だった。

＂あぁ、安室さん考えまとめたのか＂とその速さに感心しながら「何？」と答える。

「Aさん、過去に何かあったんじゃないかな」

「なんで？」

予想だにしなかった言葉にそう返すと、安室さんは口角を上げた。

「探偵の勘さ」

＂絶対違うだろ＂と前にやったようにじっと見るが、本人は気にしてないようだ。

安室さんには俺が見えていないところまで見えているのだと思うと悔しいが、
実際にAの豹変を見ていたのは彼であり、彼にしか分からないこともあるのだと思うと変に納得できた。

大切な友人は、安室さんに任せよう。

そう思った後、女性の視線が安室さんに集まっていることに気づいた。

俺は＂相変わらず顔は良いな＂と苦笑いした。