【名探偵コナン】わたしの光【安室透】 (ページ11)

今日:12 hit、昨日:26 hit、合計:158,353 hit

１０話ページ11

「A姉ちゃん今日はありがとう！」

少し暗くなってきたところで私達は店を出た。
家が店の上にあるコナンくんと蘭ちゃんとはここでお別れ。

「いーえ。久しぶりにこういう話ができて私も楽しかったよ、こちらこそありがとね」

腰を屈めて目線を合わせると、彼の首元に手を添えた。

彼の脈拍が少し早くなったように感じる。
どうやら、嘘をついているか見極めるためのこの手法を知っているようだ。

それなら話が早い。

そう思うと私は優しく微笑んで顔を近づけた。
そして彼にだけ聞こえるように囁く。

「またお話ししようね。新一」

黒目が泳ぎ、脈が早くなる。
一言も発していないがこれで充分だ。

やはりそうか

「阿笠博士が原因ではなさそうね…何かあったら頼るのよ。いいわね？」

しばらく誰にも正体を明かさないまま子供の姿でいるのを見ると原因は阿笠博士ではないようだ。
新一のことだからきっと危ないことに首を突っ込んだのだろう。

「…うん、わかった」

新一の目が鋭く私を捉える。
なんのこっちゃ分からないが私のことを疑っているようだった。

頼れと言う以前に話し合う必要がありそうだ。

元の体制に戻ると、またお話ししたいからという理由で彼と連絡先を交換する。

話し合いは電話でしよう

そう思いながら私は二人に手を振った。

途中まで帰り道が同じ園子と駄弁りながら帰る。

「眼鏡のガキんちょと随分仲良くなったじゃない？」

コナンくんのことを言っているようだ。
あだ名がだいぶ雑に感じるのは気のせいだろうか？

「子どもは好きだし、何より趣味が同じだからね」

「でもあやつは生意気よ？」

「そうなの？そんな風には見えなかったけどなー」

園子の中では生意気な餓鬼で定着しているらしい。

確かに小さくなる前の新一を思い出すとそんな感じがする。

小さくなっても中身は相変わらずのようだ。