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屋上から見えたのは... ページ9

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あの後、特に何事もなく1日を過ごした私達はいつものように屋上で音楽を流し、踊っていた。

小さい頃にダンスを習っていた私。

何かの話で海司と陸も私達を出会う前まではダンスをやっていたらしく、今ではこうして屋上で自分達で振付をして踊っている。


ダンスをしている時が余計なことを考えなくていいから1番好きだ。


それに唯一ダンス経験のない光輝。

元々運動神経がいいからか飲み込みが早く、少し教えればあっという間に覚えてしまうんだけど、本人的には納得いかないらしくていつも一生懸命練習している。


光輝「ねぇ、ココの動きって...」


曲が終わって飲み物を飲んでいる私に、自信のない個所を質問に来た光輝に出来るだけ分かりやすく教えてあげる。

別に部活でも何でもない、趣味みたいなものだからそこまで本格的に練習しなくてもいいんだけど、なんせ負けず嫌いだから...w


海司「すっげー」

陸「何あれ?ヤンキーじゃね?」


何やら騒いでる海司と陸。

そんな2人が気になったのか光輝も2人の元へ向かう。


私も陸の言う“ヤンキー”が気になり、光輝の後に続く。



海司「久々に見た」

陸「な?」

光輝「誰か来てんの?」

海司「あぁ……、あれどこの制服だろう?」

陸「さぁ〜?」

A「……玄武高専」

海司・陸「え?」

A「あ、いや……」


思わず口走った事に焦っていると……


光輝「あ、果音さん……」


朝出会ったヤンキーと別にもう1人似通った格好したヤンキーもいて……。

よく見れば2人は果音さん目掛けて歩いているようだった。


屋上からその様子を伺っていると、朝のヤンキーは走って果音さんの元へ行くと少し乱暴に腕を引いて引き止めた。



……かと思えば、もう1人のガタイのいいヤンキーは果音さんを抱き締めて思わず光輝を盗み見る。


案の定、ショックを受けているようだが、それよりも気になるのは3人の関係性。


果音さんがヤンキーに知り合いがいるように見えないし、

さっき抱き締められた時少し構えていたようにも見えた。

だから特別親しい関係では無さそうだけど……。


すぐにガタイのいいヤンキーは果音さんを離したけど、両肩を掴んで何やら話している。


その話の内容が気になるけど、こんなに遠い距離じゃ聞こえるはずもなく……。


海司「何話してんだろ?」

陸「告白、とか?」

A「ちょっと!!!」

……光輝、大丈夫?」


その質問に返事が返ってくることはなかった。

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作者名:ちゃそ | 作成日時:2019年3月2日 9時

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