ドM...？ ページ46
.
『果音さんは俺が守るから。
今日から全力で果音さんに向かってく』
その言葉の通り、あの日から光輝はよく果音さんに話しかけるようになった。
光輝｢あ、いた!｣
そう言って朝早くから学校へ向かい、目的の人を見つけた光輝は目を輝かせながらそちらに走っていく。
私からしたら興味無いのだが、海司と陸までもがそちらへ足を進めるため、流れで私もついて行く。
光輝｢果音さん、今日はなんのバイトっすか？｣
朝から嬉しそうに付き纏う光輝とは裏腹にウンザリした表情の果音さん。
そんな2人を楽しそうに着いて歩く海司と陸。
...つまんない。
光輝が果音さんに話しかけれるようになった途端に3人とも果音さんばかりで私は蚊帳の外。
こんな時に京極竜でもいれば暇潰しに...って、バカバカしい。
何で私があの人の事なんか...。
そう思いながら私はまた光輝達の方へ視線を戻した。
光輝｢当てます、遊園地の掃除！｣
海司｢ファミレス！｣
陸｢工事現場！｣
果音｢ウザいんですけど！｣
ずっと黙っていた果音さんがついに発した“ウザい”という言葉。
まぁ、さすがに、朝っぱらからこんなに付き纏われたらウザいよね。
光輝もこれには懲りただろう...そう思った私はバカなのだろうか。
光輝｢やべぇ...なんかキュンときた｣
海司｢え？！｣
...いや、何故喜ぶ？
何故“ウザい”と言われてときめいている？
私には今の光輝が理解できない。
海司｢光輝お前ドM...？！｣
まだときめいている様子の光輝を心配そうに見る海司達。
A｢...アホらしい｣
そう呟いて私は教室のある、果音さんと同じ方向へと足を進めた。
最近こんな調子でつまらないし、授業サボろうかな...そう思いながら歩いていると、
果音｢...アレ、放っておいていいの？｣
そう果音さんが私に話しかけて来た。
A｢...朝から疲れたくないので｣
果音｢へぇ...泣くくらい好きなのに？｣
その言葉に私は歩いていた足を止めた。
果音｢どうしてそんなに赤髪くんの事を想えるの？｣
...どうして？
そんなの、理由があるなら私が知りたいよ。
A｢そんなの知らない、ただ私が光輝がいいから...
光輝とこの先もずっと一緒にいたい、
どんなことも一緒に乗り越えていきたい、そう思っただけ｣
好きになるのに理由なんてモンない。
そう思って果音さんに伝えると、一瞬...
本当に一瞬だけど切なそうな表情を見せた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 792人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年3月2日 9時
