ピンチ ページ40
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その瞬間、果音さんと目が合ってしまって少し驚いているようだった。
果音｢迷惑です！
それに私よりも守るべき人がいるんじゃないですか？！｣
光輝｢え？｣
果音さんの視線を追って私を見る光輝だけど、すぐに果音さんに向き直って私にとって残酷な言葉を口にした。
光輝｢Aはそんなんじゃなくて...親友というか、ただの"幼馴染み"で...｣
ずっと思ってた。
光輝の幼馴染みでなければ気持ちを抑えなくて済んだのかなって。
その言葉に私の瞳からは涙が止まらなくて...
果音さんはそのまま光輝を通り過ぎて行った。
光輝｢え？...待ってよ！｣
そんな光輝に果音さんは早歩きをして距離を取ろうとするけどしつこく追いかける光輝。
光輝｢絶対照れてる｣
果音｢照れてません｣
光輝｢嘘つき｣
果音｢照れてません｣
光輝｢待ってよ｣
果音｢ついてこないで｣
そんな２人を背に私は裏門の方から学校を出た。
私といるときだって果音さんの話題になることは多かった。
今だって私といるときよりも幸せそうだった。
もし私達が幼馴染みじゃなかったら違う未来はあった？
A｢どうして光輝と幼馴染みなんだろう...｣
そう思うとようやく止まったはずの涙が再び溢れだす。
どうして私と光輝が幼馴染みなのか、
どうして光輝が好きになった相手が果音さんだったのか、
どうして私は光輝を好きになってしまったのか...。
思えば思うほど苦しくて、涙が止まらない。
『泣いてんの？』
そんな声が聞こえて顔を上げるとガラの悪い男が５人私の前にいて、突然の事に逃げ出すことさえ出来なかった私はあっという間に囲まれてしまった。
『あれ、この子って聖ブリリアント学園のマドンナじゃね？』
『マジだ、超当たりじゃん！』
そう好き勝手いう男達に嫌悪感が生まれる。
『このまま遊びに行こうよ』
『お兄さん達が嫌なこと、忘れさせてあげるから』
そう言って私の手を引いて歩こうとする。
A｢やっ...｣
『大丈夫、怖いことは何もないから』
私の抵抗なんて男５人からしたら何の意味もなく、簡単に連れて行かれてしまう。
A｢離して！｣
『騒ぐなって』
『とりあえず路地に連れ込もうぜ』
そう言って人気のない路地に連れ込まれてしまった私。
こうなれば助けを求めても無駄なわけで諦めかけた時、
｢女１人に男５人なんてズルいんじゃねぇの？｣
聞き覚えのある...そんな声が聞こえた。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年3月2日 9時
