見極め ページ37
-光輝 side-
いつものように屋上へやってきた俺達。
いつもと違うのは踊らずにのんびり過しているということ。
光輝「ねぇ、A」
A「ん?」
光輝「そこ俺の場所」
A「私の場所どうぞ」
光輝「何でだよ」
何故か俺のイスに座っているAに退けるよう訴えると、渋々立ち上がり近くのハンモックに横になった。
陸「落ちないでね」
A「そこまでドジじゃない」
陸「ハンモック設置した時、はしゃいで落ちたの誰だっけ?」
A「...海司」
海司「Aだろ」
...そう言えば設置した時Aはしゃいで落ちたんだっけ。
あの時は頭打ってあまりの痛さに号泣して大変だったな...。
そんなことを思い出していると、
海司「なぁ、光輝」
光輝「ん?」
海司「最近果音さんの人気ヤバくない?」
突然海司がそんなことを言い始めた。
A「そうでもなくない?」
海司「何でAが返事すんだよ」
A「いいじゃん、別に」
海司の言葉にAが突っかかる。
陸「まぁ、A程ではないにせよ人気出てきたよね!
しかも相手の男、レベル高いし」
海司「だよな」
陸「なっ!」
そんなこと分かってる。
A「そこらの男より、ちょっと顔がいいだけでしょ?」
海司「まぁ、一途なAには分かんねぇよ」
A「私だってイケメンくらい見分けられます〜」
陸「あの生徒会長でめっちゃカッケー奴とかさ!」
A「いや、あれは身長低い」
そう言ってAが果音さんに言い寄ってる男を辛口で見極める。
海司「あと背の高いヤンキーの光輝殴った奴!」
A「あれはバカっぽいし、光輝殴った時点で失格」
...どうやらAの中で合格ラインに立てる男は居ないらしい。
A「...うん、やっぱりたいした男居ない」
陸「あの弟は?」
A「京極竜は顔だけ、中身最悪、絶対性格悪い」
海司「ふーん...」
A「...なに?」
海司「別に、あの弟のことよく知ってんだなって思って」
そう言えばAって京極竜とどういう関係なんだ?
この前も何だか知り合いみたいな感じだったし...。
海司「とにかくこのままだとヤバいよ」
そう海司は改めて俺に忠告した。
光輝「そんな事...俺も思ってはいた」
陸「思ってたのかよ」
海司「そろそろ“デレ”ないとやばいんじゃない?」
光輝「デレ?」
陸「好きだって本気、見せとけってこと!」
...本気、ね。
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作者名:ちゃそ | 作成日時:2019年3月2日 9時