一途な想い ページ24
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これはこの場にいた全員が想像できなかったことで、みんな驚きを隠せずにいる。
光輝｢...ｯ｣
A｢...光輝｣
私は海司の手をほどいて光輝に駆け寄った。
この時、光輝で頭がいっぱいになっていた私は海司が寂しそうに私を見ていたことなんて知らなかった。
光輝の元へ行くと案の定、すごく驚いていて...。
それと同時に瞳の奥には怒りも感じられた。
A｢ねぇ、光輝...｣
必死に気をそらそうと光輝に腕にしがみつくけど光輝は私に視線を移すどころか、私の声さえ届いていない。
果音｢な、何するんですか！｣
目の前の光景に時が止まっている私達にお構いなく、尊人さんは果音さんから唇を離すと、今度は強く抱きしめる。
その腕の中で、ようやく正気に戻った果音さんが抵抗を始める。
果音｢離して！｣
尊人｢やだ、離さない｣
果音｢ちょっと！｣
尊人｢好きだ｣
果音｢はぁ？！｣
尊人｢お前は俺が守る｣
こんなときに不謹慎なのかもしれないけど、私は面と向かって"好き"と伝えられる尊人さんが...
尊人さんだけじゃなく光輝に想われている果音さんが...
凄く羨ましかった。
もし私がもっと早く光輝に伝えていたら...
果音さんに出会わなければ...もっと違ってたのかな...？
そんなことを考えているうちに果音さんと尊人さんがようやく離れた。
果音｢私モノじゃないんで！！！｣
そう言うと果音さんは走って、体育館を出て行こうとする。
尊人｢ちょちょちょ、成瀬果音！お前も絶対俺を好きになる！｣
どこからそんな自信が来るのか、私達の前で果音さんにそう宣言した。
だけど果音さんはその言葉に耳をくれず、そのまま走り去ってしまった。
すると...
A｢え？！ちょ、光輝？！｣
私の腕をふりほどいた光輝は尊人さんの方へ向かって行く。
慌てて海司と陸が追いかけるも、時すでに遅し。
尊人さんに殴りかかろうとした光輝。
だけどそんな攻撃、ヤンキーからしたら大したことはなくあっけなくやられてしまった。
A｢光輝！！！｣
海司｢光輝？！｣
陸｢マジかよ...｣
私は一目散に光輝の元へ行き、お腹を押さえる光輝を支える。
A｢光輝、大丈夫？｣
光輝｢あぁ...｣
A｢ちょっとアンタねぇ...｣
光輝がやられて黙っていられない私は尊人さんに反発しようとするも光輝に腕を掴まれ、阻止される。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年3月2日 9時
