真実 ページ22
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??「...いいのかよ、行かなくて」
A「...別に。てかアンタこそ行かなくていいわけ?」
??「俺、アンタって名前じゃねぇんだけど」
A「いや、名前知らないし」
竜「...竜。京極竜。んで兄貴の方が尊人」
自分の名前だけじゃなく、ご丁寧に兄貴の名前まで教えてくれた京極竜。
A「...そう」
そのまま話が弾むわけもなく、気まずい空気が流れる。
...と思っていると、おもむろに私の手を引く京極竜。
A「何?!」
竜「兄貴のとこに行く。さっさと体育館に案内しろ」
そう言って私の手を引いて走り出す。
A「ちょ、ちょっと待って!」
全く私の話を聞こうともせずに走り出すもんだから私は思いっきり京極竜の腕を引いて引き止める。
竜「んだよ、さっさとしねぇと...」
A「体育館、逆方向なんだけど...」
竜「...早く言えよ」
少し顔を赤らめて言う京極竜。
結局京極竜の圧に負けて私は嫌々体育館へと案内する。
『マジかよ、嘘〜?!』
体育館の近くまでたどり着くと、中から誰かが騒いでいるのが分かる。
私を押しのけて急いで中に入った京極竜に続いて私も中に入ってみる。
そこには京極竜と似たような格好した男子...きっと兄の尊人さんと、果音さん。
そして卓球台のところには生徒会の方たちが隠れるようにその様子を観察していて、
入口のすぐそこではネクストの3人が立ちつくしていた。
陸「A...来たんだ」
私が来たことで少し安心したように私に微笑む陸。
A「うん...それよりもどういう状況?」
海司「俺らもよく分かんなくて...」
つまり、当事者以外分からないってことか...。
光輝「...果音さん?」
ヤンキー兄貴と向きあっている果音さんを心配そうに見つめる光輝を見ただけで胸が苦しい。
竜「...兄貴」
こちらもこちらで兄貴が心配のよう。
...というより、心配なのは隠し事の方かな?
そう思っていると果音さんが口を開いた。
果音「正義のヒロイン...」
尊人「あぁ!」
果音「あれも私じゃない」
尊人「えーーーっ!!!...1年前のあれも演技だったっていうことか?!」
果音「映画研究部のバイトです」
尊人「オーマイゴット...」
下手くそな英語を言いながら頭を抱える尊人さん。
竜「何で言っちゃうかな...」
少しイラだった様子の京極竜。
光輝「...話が見えない」
光輝の言葉に深く頷く生徒会。
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作者名:ちゃそ | 作成日時:2019年3月2日 9時