デートの約束...？ ページ17
-竜 side-
尊人｢竜、今日果音に会ってくる｣
今日の朝。
いつもの制服に着替えている最中にそんなことを言い始める兄貴。
竜｢は？学校は？｣
尊人｢いや、だって果音に会いたいじゃん｣
竜｢...｣
尊人｢まぁ、あとから行くから｣
竜｢いや、俺も一緒に行く｣
尊人｢そうか？｣
結局、俺がいない時にあの女がちゃんと正義のヒロインを演じてくれるか不安で、仕方なく俺も兄貴について聖ブリリアント学園について来たわけだけど...
竜｢なぁ、兄貴...これってストーカーじゃね？｣
尊人｢バカやろ、ちょっと顔見に来ただけだ｣
竜｢いや、だからそれが...｣
尊人｢しぃ〜、うるさい！！！｣
成瀬果音がいると思われる教室を覗くも、目的の人物はなかなか見当たらない。
正直、俺はさっさと目的を果たして帰りたい。
そうでもしないとまたアイツに会ってしまいそうで...。
そう思っていると正面の方から足音が聞こえてそちらに視線を向けると、
竜｢あ...｣
尊人｢ハッ！｣
ようやく目的の人物が見つかった。
もちろん何の打ち合わせもなく姿を現した俺らに少し動揺する成瀬果音。
尊人｢おはよう、果音！｣
兄貴は成瀬果音を見つけると一目散にそちらへ行き声をかける。
成瀬果音はというと突然の事にボヤッとしていて、俺が慌てて後ろから指示を出す。
すると声は出さないものの、兄貴に微笑みながら会釈をする。
尊人｢はぁ...天使...｣
そんな成瀬果音に兄貴も喜んでいるようで、そんな兄貴を見て俺も安心する。
...のもつかの間で、
急に成瀬果音を見据えたかと思えば、
尊人｢あのさ...今度、俺とデートしてくれないか？｣
なんて突拍子もないことを言い始めた。
竜｢え？！｣
いや、いきなりかよ。
尊人｢お願いします！｣
そういうと兄貴は頭を下げた。
...どうすっかな。
竜｢(今度ぜひ)｣
果音｢(え？)｣
竜｢(こ・ん・ど・ぜ・ひ！)｣
果音｢(あぁ...！)｣
俺が言ってる言葉を理解した成瀬果音が頷く。
そして俺は両手を合わせて笑顔で首をかしげる。
もちろんこれは俺が成瀬果音にしたのではなく、
竜｢(やれ！)｣
演技の要求。
一瞬戸惑った表情を見せるも、兄貴が顔を上げた瞬間、
果音｢今度ぜひ｣
満面の笑顔で指示通りに両手を合わせ言う成瀬果音。
尊人｢はい...あざっす！｣
めちゃくちゃ喜んでいる兄貴。
俺とハイタッチをかわすとそのままどこかへ走って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 793人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年3月2日 9時
