女の好み ページ13
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尊人「じゃあどういう女が好みなんだよ?」
竜「そうだな...」
正直、そういう質問得意じゃないんだよな...。
とりあえず何か言わないといけないと思って、ふと浮かんだことをその場しのぎで口にしたわけだけど...。
竜「ん〜...気が強くて、」
尊人「うん」
竜「生意気で、」
尊人「おう...」
竜「何考えてんのか分かんなくて、」
尊人「お、おう...」
竜「小悪魔要素あるけど、それでもどこか守りたくなるような?」
尊人「ハハハハハッ」
ん?
何言ってんだ?
俺、そういうのが好みだっけ?
尊人「分かる!!!お前意外とMっ気あるもんな?」
竜「そんなんじゃねぇよ!!!」
そう否定してもどこか楽しそうな兄貴。
竜「あっ...」
もしかして...、俺、今...
__いきなり飛び出してぶつかりそうになっておいてその態度、どうかと思いますけど?
__誰が生意気よ、失礼ヤンキー
__べ、別に私は……たまたま通り掛かっただけだし!!!
アイツのこと思い出して言ってなかったか?
俺、もしかしてあの女の事...?
いやいやいや、まさかな...。
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俺は自他共に認める兄貴を愛しすぎる弟だ。
泣き虫だった俺を助けてくれる兄貴。
ガキの頃からの憧れで、兄貴は俺にとって絶対的エース。
カッコいいって言葉は兄貴の為にある。
なのにお茶目なとこも、危なっかしいとこもあって...。
俺の価値観は兄貴に刷り込まれたようなものだ。
なんでも兄貴の真似がしたくて、
兄貴の持ってるものはみんな欲しくて...、
竜「あ、そっか...」
俺はあの女を好きになったわけじゃない。
兄貴の真似がしたかっただけだ。
さすがに兄貴の好きな女とるわけにはいかない。
そう思った時にちょうど成瀬果音に似た性格のあの女に出会った。
竜「...だよな」
じゃなきゃ、
あんなに生意気で、
気が強くて失礼な女、気にするはずがない。
...兄貴もあんな女忘れてしまえばいいのに。
そうすれば俺もアイツのこと考えなくて済むし。
なにより俺もバイト代出さずに済むし。
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作者名:ちゃそ | 作成日時:2019年3月2日 9時