正義のヒロイン ページ11
-竜 side-
俺の兄貴はみんなが憧れる最強カリスマヤンキー。
兄貴とは血の繋がりがないことは分かっている。
でも俺にとって兄貴は1人だし、そんな兄貴を尊敬している。
だけどある日、なんとかっていうセレブのおっさんから兄貴に"会いたい"と連絡が入ったらしい。
竜「セレブが兄貴になんの用だったんだよ」
何だか嫌な予感がして兄貴に何度も電話を掛けたが出ることは無く...。
ようやく連絡が取れた時に思ったことをぶつけてみれば、
『何とかって子を幸せにして欲しいとか...
なんだっけな...
正直、よく分からなかった。
とりあえずすぐ帰るという兄貴を待つ事にして、弟と妹を寝かしつける。
...が、なかなか寝てくれない。
竜「もう寝ろよ〜...」
結局すぐに帰ると言った兄貴もなかなか戻らないし、
戻ってきたと思えば...
尊人「ただいま〜〜〜」
飲んできたのかベロベロに酔っ払っていた。
竜「しぃ〜!!!兄貴、コイツらやっと寝たんだから!!!」
尊人「だってさ〜、俺嬉しくって」
竜「何が」
尊人「見つかったんだよ」
竜「誰が!!!」
尊人「正義のヒロイン」
正義のヒロインと言えば、1年前に兄貴が一目惚れした女。
なんでもガラの悪い連中に絡まれている男を助けたとか...。
竜「ずっと兄貴が探してたって子か?」
尊人「あぁ、フフフフッ...運命だよな〜?!」
竜「どこで?」
だけどその言葉に返事はなく、返ってきたのは...
尊人「グゥ〜〜〜」
盛大ないびきだった。
竜「ちょっと、兄貴...」
尊人「成瀬果音...」
竜「え?」
寝言で呟いた“成瀬果音”と言う女の名前。
寝る直前に兄貴がポケットから取り出した携帯を申し訳なく思いながら待ち受けを見る。
竜「...聖ブリリアント学園、か」
それであの兄貴が惚れた女が気になって、1人で乗り込んだ。
だけど会ってみれば外見は特別可愛いでも美人でもなく、至って普通。
さらに言えば兄貴が見たのは演技している姿で、本当は強くもない。
こんなの兄貴が知ったら...。
きっと兄貴は成瀬果音に会いに行く。
だからその前に話そうと思ったけど、きっと兄貴のことだから信じないよな...。
そう思って俺はとある提案をした。
793人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃそ | 作成日時:2019年3月2日 9時