幸せな朝 ページ2
-A side-
♪〜
頭上で鳴り響く携帯のアラーム。
A「……う、るさい」
手探りでスマホを探し出し、重たい瞼を開けてアラームを止める。
A「…………あと5分」
誰も居ない、1人の空間で小さく呟いた私はそのまま意識を手放した。
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『……っ……きて…………A、起きて!!!』
A「ん……」
遠い意識の中、突然の大声に目を開ければ、赤髪のアナタがぼんやりと視界に入る。
私の幼馴染で初恋の人。
A「……おはよ…………光輝」
光輝「おはよう……って目開いてないじゃん!」
A「……眩しい」
光輝によって開けられたカーテン。
朝が弱い私は昔から自分で起きることが出来ず、高校2年生になった今でもこうして毎朝、光輝に起こしてもらっている。
A「……もう少し」
光輝「ダメ、起きて!!!」
そう言いながら光輝は私の手をグイグイ引っ張る。
仕方なくベッドから起き上がると満足気な光輝は私の手を引いてリビングへと移動する。
そこには見慣れた金髪と黒髪が2人、あたかも自分の家のように寛いでいる。
A「……おはよう……海司、陸……」
海司「おはようw」
まだ意識が寝ている私を見るなり、笑いながら挨拶を返して来たのは金髪の海司。
パッと見、怖いと思われがちだが本当はビビり。
陸「おはよう、まだ眠たそうだね」
可愛い笑顔を私に向けながらそういったのは黒髪の陸。
彼は彼で、チャラいと思われがちだが意外と真面目。
A「……眠たい」
そう言いながらソファーに座っている陸の隣に座り、肩に頭を預ける。
陸「朝ごはん、食べちゃいな」
A「……いい」
海司「朝ごはんをちゃんと食べないと元気が出ないってばあちゃんよく言ってんぞ」
……また始まった、海司のばあちゃん話。
A「朝は食欲ないの〜」
光輝「ちゃんと食べなさい」
そう言って光輝に差し出されたパン。
光輝「少しでいいから食べて?」
……なんて、光輝に言われたらどんなに食欲なくても逆らえない私。
朝は苦手だけど、
大好きな人と大切な友達と一緒に過ごす、この朝の時間が私は好き。
光輝「あぁ!!!」
陸「なんだよ」
光輝「A急いで!!!」
時計を見て急に私を急かす光輝。
また私にとって憂鬱な時間が始まる。
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作者名:ちゃそ | 作成日時:2019年3月2日 9時