I fell in love with you. ② (ページ10)

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強がりページ10

-竜 side-

たまたま昼に見た『痴漢が多発している』というネットニュース。

その場所が兄貴の好きな果音ん家の近所ということで兄貴に報告しようと思ったのに、まさかのセレブの家で飯食うとのことで不在。

竜｢あ～、クソ...｣

別に果音の事なんて何とも思ってねぇけど、万が一の事が合って兄貴が傷つくのはゴメンだ。

そう思って被害の多い公園へ足を運ぶと帽子をかぶったいかにも怪しい奴が果音を見ていた。

完全にそれが痴漢野郎だと思って掴みかかればそれは光輝だった。

竜｢つか、紛らわしい格好してんなよ｣

光輝｢うるさいな...。

　ってか、何で竜がついてくんだよ｣

竜｢お前１人じゃ頼りねぇからだろ｣

光輝｢果音さんくらい守れるし！！！｣

竜｢ビビって声かけれねぇ奴が何言ってんだよ｣

そんな言い合いをしていると、ついに果音の前に痴漢野郎が姿を現した。

竜｢テメェ、何やってんだよ！！｣

果音を力づくで倒した野郎を突き飛ばし、光輝が１発くらわす。

『うぅ...』

竜｢この野郎｣

光輝に１発殴られ、よろめいた瞬間に絞め倒す。

光輝｢果音さん、あっちいってて｣

光輝の言葉に震えながらも俺らから距離を取る果音。

竜｢大丈夫か？｣

光輝｢怪我は？｣

果音｢へ、平気です...｣

そのまま警察に男を突き出し、３人並んで歩いているわけだけど...

竜｢しばらく俺ら送り迎えしてやっから｣

普通に夜道を女１人で歩くとか危ねぇし、こんなことがあって怖いだろうからそう言ったのに、

果音｢平気です｣

そう言い張る果音。

光輝｢無理しないで｣

果音｢平気です｣

光輝も心配そうに声をかけるも、果音は平気という。

あんな目に合ったばっかで平気なわけねぇだろ...。

その証拠に手の震えは隠せてない。

別に果音の事は特別な感情を持っているわけじゃないけど...

震えているのに知らん顔なんて出来るはずもなく

光輝を見ると同じ事を想ったのか視線が重なって、

俺と光輝で果音に両手を握った。

果音｢え？｣

竜｢行くぞ｣

光輝｢行こッ｣

そうすることで果音の中の不安も怖さもなくなればいいと思った。

果音｢離してください｣

だけど、果音は慌てて俺らから手を離そうとした。

光輝｢やだ｣

竜｢ダメ｣

果音｢でも...｣

光輝｢いいじゃん、ご褒美ご褒美｣

光輝がそう言うと静かに歩きだした果音。