呼び方 ページ23
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A｢ご飯出来た｣
あの後、簡単にメイクを済ませ、昨日のお礼も兼ねて朝ごはんを作った。
竜｢何だ、メイクしたんだ？｣
A｢アンタにスッピン見られるとか地獄だわ｣
竜｢俺的にはスッピンの方がよかったけど？｣
A｢は？｣
サラッとそう言うと、何も気にすることなくご飯を食べ始める竜。
竜｢ウマッ！！！｣
そう言ってまだ寝起きだって言うのにガツガツ食べる。
竜｢Aは食わねぇの？｣
A｢私基本朝食べない派だから京極竜が全部食べていいよ｣
そう言うと何か言いたげにジッと私を見据える。
A｢何？｣
竜｢その呼び方、どうにかなんねぇの？｣
どうやらフルネーム呼びって言うのが気に入らないらしい。
A｢別にそんなの...｣
竜｢昨日は普通に名前で呼んでくれてたじゃん｣
A｢...はいはい、名前で呼べばいいんでしょ｣
そう言えば満足したのか再びご飯を食べだした。
竜｢今日どこ行く？｣
A｢は？｣
竜｢海司が今日はA学校休ませるっつってたから
どっか行こうぜ｣
A｢なんで私がアンタと...｣
竜｢いいじゃん別に、好きなとこ連れてってやる｣
頬杖ついて私に微笑みながらいう竜。
A｢...いや、いい｣
竜｢なんでだよ!!!｣
真顔で断る私にかなり不満げ。
A｢光輝達以外と出掛けたことないから気遣うし、
私とアンタの行きたい所なんて絶対違うじゃん｣
竜が食べ終わった食器を片づけようと近づくと
手を引っ張られ更に近づいた距離。
竜の綺麗な顔が目の前にあり、
思わず胸が高鳴ったのも束の間、
A｢いった!!!｣
思い切り両頬を引っ張られる。
竜｢俺がお前の好きなとこに全部付き合ってやるから
気ぃ使わなくていいんだよ!!!
それと名前で呼べって言ってんじゃん!!!｣
たぶん竜がココまでしてくれるのって...
A｢...何それ、同情してんの？｣
竜｢は？｣
A｢アンタが今日やたら私に構うのって
過去を聞いて同情してんだよね？｣
椅子に座って私よりも目線の低い竜を見下ろして
そんな可愛げもないことを口にする。
A｢そういうの、要らないから｣
竜が善意でしてくれてるのなんて分かってる。
でも結局私は何でもそう疑ってしまう。
そう思っていると立ちあがった竜が
私を優しく包み込む。
竜｢...同情なんかでココまですっかよ。
それに...名前で呼べって何回言えば分かんだよ、バカ｣
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年4月21日 20時
