安心 ページ17
-A side-
蓮｢んっ...A...｣
A｢やぁ..んんっ...はぁ...｣
乱れた服の中に入ってくる蓮の大きな手。
触れるたびにビクッと反応してしまう身体。
A｢りゅ...う...｣
＿ ﾊﾟﾁﾝｯ
蓮｢何で分かんねぇんだよ...俺の何がダメなんだよ!!!｣
そう言って再び右手を振り上げた蓮。
覚悟を決め、目を閉じたものの痛みはいつまでもやって来なくて、聞こえてきたのは何かが大きな音を上げて倒れる音。
ゆっくりと目を開ければさっきまで私に覆いかぶさっていた蓮が倒れていて、その目の前には竜が立っていた。
A｢何で...来たの...｣
竜｢あんな風に助け求められりゃ、来るなっつっても来るに決まってんだろ｣
震えた声で言う私に、微笑みながらそう返してくる竜。
海司｢A!!!｣
A｢海司...｣
竜｢ココは俺が片付けっから...海司はAと外出てろ｣
そう言いながら制服の上着を掛けてくれた竜。
海司｢分かった｣
竜の言葉にそう返事をした海司は、私を抱き上げ部屋を出ようとする。
A｢待って、竜が...｣
竜｢いいからさっさと行け｣
その言葉に海司は倉庫の外へと足を進めた。
海司｢何があった？何で蓮と一緒にいた？｣
私と蓮の間の事を唯一知っている海司。
倉庫から出るなり、いきなり捲し立てるように問い詰めてくる。
A｢バイトから帰る時...たまたま蓮に見つかって...｣
海司｢光輝は？｣
A｢最近果音さんの家の近くに痴漢が頻発してるって聞いて...｣
海司｢それで光輝に果音さんの方に行かせたの？｣
A｢ん...｣
海司｢はぁ〜..本当バカ!!!｣
私の言葉に大きくため息をつく海司に私は俯くと、海司の温もりに包まれた。
海司｢竜から電話があって...もしかしたらって...スゲー怖かった...｣
今の今まで自分の事で精いっぱいだったけど、その言葉でようやく気付いた。
海司の手が震えていることに。
A｢海司...ごめん...｣
海司｢頼むから...もう無理しないで...｣
A｢うん...｣
それからしばらくすると、竜が倉庫から出てきた。
竜｢A、大丈夫か？｣
A｢大丈...った...｣
"大丈夫"そう答えようとした時、竜の手が左頬に触れ、少し痛みが走った。
竜｢痛む？｣
そう聞く竜は、いつもの威圧的な態度とは違って優しかった。
A｢...全然｣
竜｢こんな時にまで強がってんじゃねぇよ、可愛くねぇな｣
A｢うるさい｣
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年4月21日 20時
