I fell in love with you. ② (ページ16)

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守りたいページ16

-竜 side-

光輝に教えてもらった道でAのバイト先まで辿り着いたものの、ここまでは誰ともすれ違わなかった。

竜｢くっそ、どこにいんだよ！！！｣

もう一度戻ろうとした時に静かな夜道に鳴り響く携帯の着信音。

竜｢こんな時に誰だよ...｣

そう思いながら携帯を取り出すと、表示されているのはAの名前。

竜｢...そう言えば連絡先交換したんだっけ｣

すっかり交換したの忘れてた。

そんなことはさておき、ようやく連絡がついたことに少し強めの口調で出ると怯えた様子のA。

居場所を聞けばここから少し離れた所の倉庫。

最後に聞こえたのは男の声で、Aは酷く怯えた様子だった。

その時にふとあの時の金髪の言葉を思い出した。

_ ｢でももしまたあんな事が...｣

_ ｢Aの中に踏み込もうとすんな｣

きっとアイツの言葉にはこの男が関係している。

そう思って俺は携帯で金髪の番号を探す。

コール音の後、すぐに出てきた金髪。

竜｢おい金髪、今どこにいる｣

海司『金髪じゃなくて海司って言ってんじゃん...今は家だけど？』

竜｢今すぐ俺の指定する場所に来い｣

海司『え、何で？』

竜｢...蓮｣

海司『な、んでその名前...』

竜｢Aがソイツに連れてかれた｣

海司『...すぐに行く』

倉庫前で合流することにして俺は走って倉庫へ向かう。

竜｢頼むから...｣

絶対無事でいて。

生意気で、何考えてるか分かんなくて

でも光輝を見る目は切なそうで、

強そうに見えて本当は弱くて...。

女なんて面倒くさい生き物だと思ってた。

都合のいい時に寄って来て、理想と違えば文句言って突き放す。

それだったら本気にならなければいい。

遊ぶだけ。身体だけ。
よくを満たすだけでいいと思ってた。

でもAは違う。

きっと初めて会ったときから分かってたけど、認めたくなかったんだ。

Aは俺が初めて守りたいと心から思えた。

他の誰かじゃなくて俺が守りたい、

俺が笑顔にしたいって。

...Aが好きだって。

だから絶対に危ない目にあわせたくない。

これ以上傷つかないでほしい。

海司｢竜！！！｣

俺が到着して数分後に金髪...海司が来た。

海司｢Aは？！｣

竜｢あの倉庫だけ明かりが灯ってる...たぶんあそこだ｣

不気味に静まり返った倉庫街。

その中の１つだけ不自然に明かりのついている倉庫に海司と共に忍びこんだ。