I fell in love with you. ② (ページ13)

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恐怖の声ページ13

-A side-

光輝、今頃果音さんといい感じなのかな...。

バイト中なのにそんなことばかり考えてしまう私。

『今日は上の空だね？』

そう言って声をかけてきたのは同じバイト仲間で近くの大学に通う神谷健太さん。

彫りの深い顔立ちに最初はハーフなのかと思ったけど、沖縄出身で高校の時に上京してきたらしい。

『何、Aちゃん今日具合悪いの？』

私と健太さんの会話を聞きつけ、私の顔を覗き込みながら問いただすのはオーナーの哲也さん。

A｢大丈夫です、心配掛けてすみません｣

哲也｢もし体調悪いならもう上がっても大丈夫だよ？｣

A｢いえ、大丈夫です｣

健太｢本当に大丈夫？健太心配だな～｣

顔が整っている上に自分の事を名前呼びする健太さんは...あざといと思う。

一体これで何人の女の子を落として来たのか...なんて考えてしまう。

A｢大丈夫ですってｗ｣

健太｢もし体調悪くなったら哲也さんじゃなくて健太に言ってね！｣

哲也｢何でだよｗ｣

ここのバイトの方はみんな面白くて優しくて、本当によくしてもらっている。

哲也｢Aちゃん、そろそろ上がりな？｣

A｢はい、あとココだけ...｣

健太｢あれ、今日光輝くんだっけ...来てないじゃん｣

A｢あ～...今日は用事があって...｣

健太｢じゃあ健太が送る～!!!｣

そう言ってピンッとあげられた右手。

哲也｢健太は不安だな...俺送って行こうか？｣

健太｢ちょっと、それ健太に失礼!!!｣

そんな言い合いを始める２人。

A｢えっと...ありがたいですけどそんなに遠くじゃないので大丈夫ですよ？｣

哲也｢でもさすがに夜に女の子だけってのも...｣

A｢大丈夫ですってｗ｣

哲也｢じゃあさすがにこれ以上残せないがら...後は健太にさせるから今日は本当に上がりな｣

健太｢だから健太の扱い!!!｣

またも騒ぎ出す健太さんの後ろで"早く帰れ"とジェスチャーを私にする哲也さん。

A｢...すみません、お先に失礼します｣

そう言うと、

健太｢何かあったらすぐ健太呼んでね!!!絶対すぐに行くから!!!｣

そう言いながら出入口で私に大きく手を振る健太さん。

A｢...やっぱり２人にさせたくなかったな｣

なんて1人になってはいつものように光輝の背中を押してから後悔をする私。

いい加減学べばいいのに...。

そんなこと考えていると、

『...A』

突然後ろから聞こえる懐かしく、そして私を恐怖に突き落とす声。