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# Aran
か弱いと感じていたA、
吸血鬼の俺に振り回されてくれてると思っていたAなのに、
バスルームのドア越しに、
俺の葛藤やモヤモヤは解き放たれ、
まるで魔法を使われた気分だった。
俺しかAを愛せない、
彼女の望む世界へ連れて行けない、
満たせない、
その気持ちから、
気付いたら、
服のままバスルームに乱入して、
浸かってはしゃいだのも束の間、
噛み付くようなキスをしていた。
Aの誰もが知る、お嬢様でか弱くて優しい一面も、
守ってやりたいと心から思うけど、
俺の前で素肌で笑うAは、
明るくて、
強くて、
綺麗で、
大胆で、
どこか俺の先を行くよう、
まるで俺より長く生きる姿すら、
想像させた。
「…スーツどうするの？」
心配性な真面目な顔ではなく、
楽しげに笑うその表情に、魅了される。
「ホテルのクリーニング出すだけ。」
「そっか。」
ようやくガウンを身に纏うと、
Aの髪に手を伸ばした。
わしゃわしゃと、からかうようにタオルを当てると、
いつもよりも強いその動作に、痛がるでも驚くでもなく、ただ嬉しそう。
「…あのね、私顕嵐に出会って、前より自分のこと好きになった。
だって、強くなりたいって思えたから。」
そう話す笑顔はたくましい。
この子と結婚して、一生生きていくんだな、なんて運命すら感じる。
「ん、完成。」
髪を乾かし終えた俺に、
「ありがと、」
って高いトーンで笑う。
その声も、
ベッドの上に腰掛けるその姿も、
お嬢様である品は隠せないけど、
前よりAを近くに感じる。
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apple - 昨日１から全て読ませていただきました！とても面白くて、次の展開がどんなものになるのか気になります。更新楽しみにしてます！ (2017年1月30日 5時) (
レス) id: 62dbafa79a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年1月10日 19時
