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素の考えや性格なんて分からなくても、
天性の才能、"資質"は、また別物だから。
「…紫耀くんって、
王様みたい。」
褒め言葉のつもりだった。
「…そう思うんや。
偉そうってこと？」
「…ううん。
偉そうじゃなくて、偉いの。」
怒ってはいなかった。
代わりに何かを見透えたような、リアクションだった。
「なるほどな。
確かに、俺には"本能的に怖いと思う存在"が欠けてたからな。
男親、知らんし。」
淡々と、紫耀くんは打ち明けた。
「子どもの頃から母親振り回して、
弟に持ち上げられて、きっと家ん中じゃ一番偉そうに育ったし、
学校でも、ナメられる要素なんてないから、その気がなくても周りから見たらやってることヤンキーやったみたいやし。
欲しいもんは、親の力使わんでも、自分の力で手にせなって思ってきたから、
偉そうに見えたとしても開き直るつもりやけど、偉いって言われたんは正直意外やな。」
紫耀くんは自らのシャツのボタンをいくつか外すと、頭から抜くように脱いだ。
こないだは目を背けたその厚い筋肉を、何とも言えない感情で見つめた。
「なあ。
俺はAちゃんのこと、別に遊びやないで？
Aちゃんは俺が王様やって言いたいんやろ？
そんなら女の人がたくさんいても、一人だけ、お妃様が必要やろ。」
紫耀くんに頬を撫でられる。
軽く微笑んだかと思えば、真っ直ぐ、真剣な瞳に変わる。
そのまま、紫耀くんの顔が近づく。
逸らすように顔を傾けると、
ちょうど真っ直ぐ、紫耀くんの口元が、私の首に近付いた。
顕嵐とのことしか知らなくて、
肌を吸われる、そう思った瞬間。
「…っ、」
吸われるのと違う尖った硬い感触。
何をされてるかは、すぐに分かった。
紫耀くんを、海斗と真逆というのなら、
顕嵐とは、少し似てるから厄介。
…でも、何もかも、顕嵐と少し違う。
同じバニラの香水でも、甘さが少し違うし、
クールでSっぽい所も、共通してるけど少し違う。
顕嵐は王子様で、紫耀くんは王様みたい。
それに今も。
顕嵐は本能でキスマークをつけるみたいだけど、紫耀くんは違う。
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apple - 昨日１から全て読ませていただきました！とても面白くて、次の展開がどんなものになるのか気になります。更新楽しみにしてます！ (2017年1月30日 5時) (
レス) id: 62dbafa79a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年1月10日 19時
